第10章 川上村占領事件

 夜陰に乗じて――という言葉があるが、それが今の状態だ。

 礼結とライナ、そして村崎さんを伴い、僕は村外れの神社へ向かっていた。

 道路を使わずに田んぼを横切り、雑草が生え放題の空き地を、辺りを窺うように通り過ぎる。

 何故、真夜中にこんなことをしているかというと、遡ること一時間前のことだ。


 深夜の二度の爆発音――それが合図であった。


 鉄橋と陸橋が破壊された音であった。

 残るは下り方面への線路であるが、トンネルには自動砲塔が三門も設置されていた。毎秒50発が三箇所から同時に、動く物を狙撃するのだ。近付くことさえままならない。

 恐らく出口側も同じであろう。

 つまり線路は使えないということだ。 

 斯くして陸路は断たれ、電波障害で通信も遮断。

 村は孤立してしまった。

 そうして侵入してきたのが魔動兵器の部隊であった。

 その数、十機以上。目的は村の制圧。

 そしてライナの確保だ。

 まだその目的は達せられていない。

 僕らも脅えて逃げ回っているわけではないからだ。

 逃げる手段にあれこれ頭を使うより、戦って村を救う方が容易いと僕らは判断した。

 今、神社を目指しているのも、その一環であった。

 街灯の光が届かない位置を、息を潜めるように駆け抜ける。

 燐光を放つような下弦の月も、下界を照らすというよりは全てを影に沈めているだけで、僕らの姿もただのシルエットとなっていた。

 神社は小高い山の中腹にある。村の外れに唐突に現れるたった一つの山。そういう意味では大きな丘といった方が通じやすそうだが、木々に覆われた姿は立派な山であった。

 雲一つない夜空を背に浮かべ、堂々とした影が僕らを待っている。

 距離的には二百メートルほど。

 いけるぞ――。

 神社へ通じる石段から道路までの三十メートルに、石畳が敷かれている。

 それを跨いで立つ鳥居が見えてきた。均等に五つ並んでいる。

 その時だ。

 キリキリキリという耳障りな音が近付いてくる。

「ひっ!」

 息を呑んだのは礼結だ。

 彼女にとってトラウマの音は、全員が聞き覚えがある。

「走れ! ばれてるぞ!」

 隠密行動はここまでだ。

 僕の声を合図に本気で走り出す。

 少し遅れ気味の礼結の手を僕は取った。

 敵は下側の道路を走っているようだ。

 先日の魔動兵器は市街地仕様であった。同じタイプなら足の車輪は舗装された道でこそスピードが生きる。

 走っていては追いつかれる――!

「ねいちゃん、私は平気だから置いてって」

「ネイ、ワタシが魔法で足止めしようか?」

「ワイルドダイブ、君のハーレム特異点としての認識をあいつらに植えつけて来ようか?」

 同時に言われた。

 とりあえず――

「礼結は心配するな。この前みたいなことにはさせないから」

 それと――

「あいつらの狙いはライナなんだから、君が足止めに回ってどうするの」

 もう一人――言いたいことは色々あるが、今はいいや。

 僕らを追い越した魔力バーが、前方で右往左往している。

 ちょうど石畳の延長線上――……そうか、あの位置にも石段があるんだ。

 僕らが走っているのは、道路より一メートルほど高台なのだ。

 チャンスであった。

 魔力を温存したいところだが、ここは使いどころだ。

「ライナは超人魔法で一気に走って! 村崎さんは重力サーフィンで、礼結を一緒に連れて行ってください!」

 既に一機の魔動兵器が上りきっていた。


 1、ライナに魔法を撃ってもらう

 2、村崎さんの重力魔法で足止めしてもらう


 「3」が出ない。

 ここ最近、このパターンだな。

 想像はついてたよ。

 ライナと村崎さんには神社へ向かってもらう必要がある。


 3、僕がオトリになる――だ。


 両脇をがっつりと掴まれた。

「え――?」

 ライナと村崎さんだ。二人に引きずられるように山へ向かっている。

「こんな時、ネイの考えそうなことは分かるぞ」

「今はワイルドダイブする時じゃない」

 先頭を礼結が走る。

 魔法を使えって指示したでしょうに――!

「このままじゃ、みんなが捕まる!」

「誰も犠牲にならない手を考えるのだ」

「無茶言うな!」

 魔動兵器の車輪がきりりきりり――と地面に多少の空回りを見せつつ動き出した。

 逃げ切れる可能性がガクンと下がった。

 町で遭遇した時は持っていなかった飛び道具を、今は平然と装備している。

 この距離は射程外だ――

 なんてことはないようだ。

 魔動兵器が手の円筒を構えた。

「ネイ、あいつを倒すぞ!」

「ダメだ! ライナだけでも伯母さんの所に行くんだ!」

「じゃあ、あたしのグラヴィトンソードで――」

「やっぱり僕がオトリになるのが最良だ!」

「まだ言うか!」

「それではワイルドダイブの骸は黒き堕天使には覚醒しないぞ」

 相変わらず村崎さんの言葉は分からない!

「ねいちゃんが死んだって、同じだよ!」

礼結が前の方で叫んだ。

「私たちは進めなくなるよ!」

 そんなわけあるか――僕が叫ぼうとした時、天から雷が迸り、落ちてきた。

 銀色の矢は魔動兵器の火器だけを弾き飛ばし、勢い衰えないまま地面へ直撃した。

 周囲が光の残滓で浮かび上がった。

「雷――?」

 足を止めた礼結が言った。

「ネイ、あの魔法――」

「伯母さんだ」

 僕は中腹の神社を見上げた。

 木の樹冠が影の塊と化す中で、社の屋根が松明に薄っすらと浮かび上がっている。さすがに魔力の余韻までは感じ取れない。だけど確信はあった。

「今のうちだ。急いで神社へ」

 僕らは石畳を駆けた。

 階段下で振り向くと、他の魔動兵器も敷地内に入ってきた。

 ライナたちが階段を駆け上っていったのを確認すると、僕はポケットから二本の音叉を取り出した。

 段の一番下――左端と右端に一本ずつ、地面へ立てた。指でU字の部分を弾く。

 澄んだ音が重なる。

 これでしばらく、ここは魔法の見えない壁で通行禁止になる。

 僕も段上を目指す。

 すぐそこで三人が待っていた。

 心配なのか、それとも信用がないのか――。

 ま、どっちも有り得るか。

 急な角度に刻まれた石段を四人で駆け上がった。

 両脇から覆い被さるような樹冠は、しっとりとした闇で僕らを包んだ。

 普段なら薄気味悪くて、一歩も踏み入れたくない場所であった。

 今はもっと恐い人たちが下にいると思うと我慢できる。

「さっきの魔法が伯母さんならさ、あいつらを全員一気に倒せるんじゃない?」

 ライナがもっともなことを言った。

 しかし、それが出来ない理由も分かる。

「多分パイロットの命まで奪いかねない威力だったよね」

「日本じゃ認められてないのよ」

 礼結が補足した。

「魔法使いは浄化された存在だからな」

 村崎さんの説明は僕でさえ分からない。

 さっきから随分と飛ばしているようだが、もしかして緊張してるのかもしれない。会話が全く成り立たない。

「手加減が難しいからね、魔法って」

 僕の言葉でやっとライナは納得したようだ。

 いつの間にか、社へたどり着いていた。

 石の鳥居が僕らを迎えてくれた。

 それを潜り、暖かな灯りが見えた時、みんなが一様にほっとしたのが笑えた。

 狭い境内に二つの篝火が灯されていた。

 境内の橙の照明よりも神々しく、そして強く夜を蹴散らしていた。

 炎が踊る度、陰影が揺れた。

 社の前で伯母さんが仁王立ちで待っていた。

 ぼさぼさ頭に厚底メガネと半纏――つまりいつもと一緒だ。気負いは全く感じられない。

 あの雷魔法を放った人物とは、知っていても信じがたい。

「来たね。村は?」

「魔法結界、魔法防御、共に良好だったぞ」

 答えたのはライナだ。

 じいちゃんが村に施したという防衛魔法――これが上手く作動しているかどうかは、僕はもちろん、村崎さんも分からなかった。

 ライナに頼るしかなかったのだが、敵の目標であるライナを一人でうろつかせるわけにいかないから、僕が付き合った。

 僕が一緒だと礼結が来ると言って聞かない。

 となると護衛に手が回らなくなるから、村崎さんに同行を依頼。

 結局、四人で村を回ってきたのだ。

「良し良し」

 伯母さんは言うと、社の中へ入っていった。ご本尊の前で何やら操作をしている。

 下の方で爆発が聞こえた。

 僕が施した防御魔法を、軍が壊そうとしているようだ。

「横の林を登ってくるってことはないの?」

 礼結が弱々しく訊いてきた。

「多分ない」

「どうしてだ?」

 これはライナ。

「木が覆い茂ってるから魔動兵器では入られないからさ」

「魔動兵器を降りてでも登ってくるとか……」

「それもないよ。こっちにはライナと村崎さん、それに伯母さんがいるって知ってるからね」

「あいつらは魔法を使えない――ってことか」

「だからこその魔動兵器なんだ」

 三人は納得したようだ。

 ライナは初めて会った時の服だ。

 オレンジのワンピースとアップスカート、そして赤いスパッツ。彼女の戦闘服なのだろう。

 村崎さんも黒衣で纏めている。

 礼結だけは手持ちが全てスカートだったので、伯母さんからジャージを借りた。

 伯母さんが高校の時のジャージだという。確かに『雪ノ宮』と名前が入っている。

 大丈夫だよ。今も着てるやつだから――とは、伯母さんの言葉。

 色々問題はあるが、今は思考から外しておこう。

 伯母さんが社から出てきた。

「これで村は安全だ。思いっきり暴れてもいいぞ」

 本当に伯母さんは動く気がないようだ。

「でも魔動兵器を倒す決め手が無いんですよ」

「それは、この嬢ちゃんに手伝ってもらおう」

 伯母さんは縁側に置いたキャリーケースから何かを取り出した。

 インカムだ。

 ライナと礼結だけに渡した。

「音色と君は、自分のを持っているそうだな」

 伯母さんは僕と村崎さんにそう言った。

 なるほどベルベットエコーの力を借りるのか。

 僕らがインカムをつけている間に、伯母さんはノートパソコンの電源を入れた。

「初めまして。ライナ・フェリエッタ、渡雨礼結。コードネーム『ベルベットエコー』です。警察の魔法課の手伝いをしています」

 ライナと礼結が僕を見た。

 僕が頷くと、ライナと礼結がベルベットエコーにお礼を言い始めた。

 インカムの奥でしどろもどろになっているベルベットエコーがいる。

 いつもはスパスパと竹を切るような対応をするからかなり珍しい。

 こうして襲撃に備えられたのも、ベルベットエコーのおかげであった。

 今日の昼、水遊びをしていた時に、ベルベットエコーからインカムに連絡があったのだ。

 拘留していた外人が死んだ――と。

 無人の魔動兵器が動き出し、外人の傍で自爆したという。

 遠隔操作による口封じだ。

 つまり、外人には仲間がいて、犯人たちはライナを諦めていない可能性が高い――それが警察の見解だ。

 第三課がこちらへ向かってくれるが、到着は明日になるらしいからそれまで警戒するように、とクリムゾンレクイエムから伝達を受けたらしい。

 ベルベットエコーは村の周辺を探った時、街頭カメラにライナを攫った同種のトレーラーを数台見つけたという。

 その後の足取りが掴めないことから、村を攻めようとしている可能性を示唆した。

 電車に乗っていたごついサラリーマン。あれは外人だった。

 このタイミングからすると、僕らの行く先を探っていたのかもしれない。

「東京へ戻って、警察の保護下に入った方が良いのでは?」

 ベルベットエコーの案は、伯母さんが却下した。

 街中でのドンパチを辞さない集団の攻撃は、人が密集する都会ほど被害が大きいのだ。

 なら村で迎え撃った方が良い――という僕の意見は、伯母さんの見解と一致した。

 決定に対し、最後まで躊躇していたのはライナであった。

 彼女の懸念は村人のことだ。

 東京よりは被害が少ないだろうが、巻き込むことには代わりない――そういう考え方だ。

「村の人たちなら大丈夫。仕掛けを施してあるからね」

 伯母さんの言葉が、ライナの心配を解消した。

 攻めて来るのは向こうだが、全てを想定内に収めれば、主導権は寧ろこちらにある――と伯母さんは言った。

 全く同意見であった。

 こういう所が血の繋がった親類なのだと思えた。

 方向性を決めた後のことだ。

 ライナがベルベットエコーのことを訊いてきた。

 礼結とライナの救出作戦で、連絡を繋いでくれた恩人だと説明した。

 だから、この前に言い損ねた感謝の言葉が、こんなタイミングだというのに雨あられ状態なのだ。

 ベルベットエコーの鉄壁が崩れ、彼女の女の子らしさが会話の端端に見えるのが楽しかった。

「そんなことより、今はそちらを何とかしないと――」

 やっとベルベットエコーが逃げのきっかけを掴んだようだ。

「また、よろしく頼みます」

 礼結だ。

「やい、音色。ぼくが手伝ってやるんだから感謝しろ」

 突然、矛先が僕に向いた。

 しかも、いつものベルベットエコーだ。

「なんで僕だけ声色が違うんだ?」

「ぼくは平等だ」

 どこがだよ――。

「ところで嬢ちゃん。現状はどうなってる?」

「はい。軍はライナを人質に取ったことにして、フェリエッタ家に身代金を要求しています」

 伯母さんには丁寧語だ。

 何だ、この変わり様……。

「金なのか?」

「魔法の書です」

「そんなことのために?」

「〈ソーフォンタスの書〉と限定してきている」

 これは僕に答えたベルベットエコー。

 ほう――と伯母さんは納得した。

 何か特殊な魔法の書なんだろうと僕は察した。

 パソコンの実況中継は魔動兵器のカメラの映像だ。

 日本語ではない言葉で全世界へ発信している。

「英語じゃないのか」

「中東の言語だけど、英語訛りがあるね」

 伯母さんが言った。

「犯人は特定できてる?」

「国籍は隠してあるけど――」

「ワタシの国の軍だ……」

 僕の問いに、ベルベットエコーが説明をし、ライナが答えを導き出した。

「軍に魔法部隊を設立しようという動きがあったが、魔法の書が不足しているから蔵書を差し出せと、ワタシの家に何度か申し出があったんだ」

 ライナが苦々しく言った。

「断ったわけね」

「当たり前だ。魔法を簡単に人の手に渡して、秩序が保てるものか」

「そうだな」

 伯母さんが頷いた。

「でも本国で魔法の書を手に入れても、階段の下にいる人たちには手に入らないし、魔法を使っている奴が犯人だって分かっちゃうんじゃない?」

 礼結がもっともなことを言った。

「〈ソーフォンタスの書〉には、空間を繋げる魔法がある」

「なるほどね。手に入れた誰かがその魔法を登録すれば、ここの者たちは逃げられるわけだ」

 ベルベットエコーの情報を元に、僕はそう推測した。

「それに、軍の目的は魔法の書そのものではなく、フェリエッタ家が独占している魔法の書がこの事件を引き起こしている――という認識を全世界へ広めることなんだろ」

 伯母さんの補足は納得だ。

 この取引が成功してしまうと、実に恐ろしく救いようのない滑稽な模倣犯を、次々に生み出すことになる。

 全く関係のない人を人質にとって魔法の書が要求されるなんて、間抜けすぎる。

「ここで叩き伏せておかないとダメってことか」

 ライナが言った。

 僕も同意したが、その手がない。

「あの魔動兵器は、裏社会では普通に売られている『センチネルポッド』と呼ばれる機体だ」

「裏社会って……」

「普通に売られてる?」

 ベルベットエコーの情報は、僕と礼結には普通じゃない。

「足がつかないようにまとめ買いされてないため、形式や年代はまちまちだけど、あの機体は魔法抗体能力が低い」

「つまり魔法で充分戦えるってこと?」

「軍用よりは――って意味だろ」

 村崎さんが珍しくまともに答えた。

「二人の魔法は無効じゃないってことさ」

 伯母さんが受けた。

「それでも、倒す決め手には欠けてる気がする」

 僕がそう言うと、伯母さんが笑って、手招きをした。

 社の木の階段へ腰を下ろすと、その横に僕を座らせた。

「だから、音色が何とかするんだよ」

「僕に何ができると思ってるの? 魔力が目に見えるだけだよ」

「じいちゃんがお前の可能性に賭けた意味――ここで開花させるかい?」

 伯母さんは僕の胸の辺りを人差し指でつついた。

 意味が分からない。

「軍の要求が、ライナへ向けられたぞ」

 インカムにベルベットエコーが伝えてきた。

「何だって?」

「ワタシが投降しないと村を破壊していく――だって」

 ライナが答えた。

「村には三重のガードが施されている。時間は充分稼げるさ」

「何の時間だ?」

 村崎さんが問うた。

「うちの甥が決意するまでの時間さ」

「僕の決意――?」

 謎かけに謎を絡めただけで、答えはくれないらしい。

 遠くで起こった爆発を音と炎が知らせた。

 要求をしてから答える間もなく実行とは何と気が短い。

 自分たちの本気を示しているのだろうけど、あっちに民家は無い。

 じいちゃんの仕掛けた防衛魔法だ。

 擬似的に村を投影している。実際の民家の配置を再現しているが、彼らが攻撃している場所はただの原っぱだ。

 物理レーダーも同時に騙すので、すぐには気付かない。

 後は、本物の村を隠すための結界魔法と、物理攻撃を遮断する防御魔法――これが三重のガードだ。

 ライナを安心させた言葉は嘘ではない。

 じいちゃん亡き後、魔法を伯母さんが引き継ぐ事で村を守っている。

 橋を破壊した二度の爆発音の後すぐに、伯母さんは家で防衛システムを仮発動させ、ここで実働確定をさせた。

 つまり村はこれで大丈夫ということだ。

 だけど、ここは――?

 階段を守っている結界は簡易的なもので、音叉は一時間保つかどうかだ。

 決意するための時間はそれほど長くはないようだ。

 ……が、考えるほど難しいことでもないのかもしれない。

 ヒントは初めから伯母さんが言っていた。

 じいちゃんが賭けた僕の可能性――。

 それと、何かあったら孫を訪ねろ――だ。

 僕はリュックを背中から下ろした。

 中には『魔法の指南書』が数冊入っている。

 取り出したのは、ライナが持っていた指南書だ。

「これは何の魔法なんだ?」

 僕の中で魔法に対しての意識は変わっていた。

 気付かれない程度の魔力で魔法を使ったりしないと、ずっと思っていた。

 しかし、魔法は人を守ることもある――

 そう知った今、魔法の書に対しても感覚が違っている。

 逸らしていた目が、内容を僕に伝えてきた。

 そういうことか――。

 三択の必要もない。

 僕の意思は決定していた。

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