神々はかく語りき。曰く我々は醜く世界は綺麗だ。

第8話 女神鬼つえー！！！このまま逆らう人間みんな殺してこうぜ！

　この世界は女神の方が多い。神は人間の願った力と姿で生まれてくるので、母性や美の象徴として美しい女神が多いのだ。

　そして、そんな神々の中にはかなりレアなやつもいて、人間と親しくして欲しいと願われ、普段は1人の人間として暮らすものもいる。

　私はそんな奇特なやつの友神で、いつも彼女の話を聞くのだが、まぁそのエピソードの濃さたるや。

　例えば誰が1番多くの彼氏を作れるか勝負の時に、

「え？信者のみんなが彼氏で彼女でしょ？」

　と言って圧倒的反則負けをたたき出し、水泳の勝負の時には、

「濡れたくない」

　の一言でプールを割って、その時の衝撃で勝負相手を危うく溺死させるところだったり。

　さらには

「金がないから食い逃げするね！」

　と宣言してまじで全力疾走で逃げ、そのまま捕まって留置所に放り込まれていた。その時の様子は絵画にもなっており、綺麗な赤の長髪を勢い良く振り上げながら羽交い締めされている姿は今でもかの国最大の汚点として語り継がれている。

　特にオチがある訳でもないこの話に、無理やりオチを付けるために、とっておきのエピソードも出しておこう。

　なんと彼女、自国で行われている剣闘士の戦い自ら参戦したのだ。理由は窃盗を繰り返しすぎて洒落にならないレベルで懲役が長くなったから。

　彼女はその剣闘士の戦いで、獅子奮迅の戦いを見せた。

　剣を持ち上げた勢いで尻もちをつき、取り落とした剣で髪はなかなか奇抜な感じになった。相手が哀れんでる所に不意打ちを仕掛けたけど手首を捻り、そのまま留置所に送り返された。

　そんな感じの女神は今、警察と仲良く銀行からスタートした追いかけっこをしている。

　友達やめよっかな