この物語は、「イロハネ -右手に悪を、左手に愛を-」のスピンオフ作品となっており、本編舞台とは異なる世界に主人公は飛ばされてしまいます。その世界は本来は人が存在しない世界。アンドロイドの世界。
主人公はそのアンドロイドを治療するスキルを持ち、その力を持ってこの世界の病めるアンドロイドを治療していきます。不可解な事件が巻き起こるなか、仲間たちと協力をし事件を解決していくのと同時に、主人公本来の心の優しさがアンドロイドに意志を芽生えさせこの世界の真相解明へと進んで行きます。
本編の「イロハネ -右手に悪を、左手に愛を-」がシリアスな世界観ですが、こちらは柔らかく、のんびりした雰囲気があり、違った視点で楽しめる作品です。
ぜひお楽しみください。
アンドロイド(しかも美少女ばかり!)が暮らす世界に転移した長瀬カズキは、アンドロイドを治療する「機療」能力を持っています。美少女アンドロイドたちに医師として頼られつつ、まごうことなきハーレム(!)状態になっていくカズキ。
実はこの力、元いた世界で勉強をして身につけた能力なのです!
転移時にチート能力を手に入れたり、元の世界で学んだ医学知識を利用したりして異世界で活躍する物語は、とっても面白いですよね。
本作はそんな読者の期待を裏切らないだけでなく、「機療」の特徴のため、よりいっそう奥深い物語になっていると思います。
と言いますのも、「機療」の仕組みやアンドロイドが病気になる原因が、科学的にもあり得そうなリアリティのある設定により緻密に練られているのです。
元の世界だけでも一つの壮大な物語が作れるほど作り込まれた世界観にもかかわらず、ファンタジー世界からファンタジー世界への転移ということで、盛りだくさんで満足度の高いお話になっています。
これぞ、王道×異色!
異世界転移小説ファンの皆さまはもちろんのこと、普通の転移小説には少し飽きてしまったなぁ、という方々にもお勧めしたい作品です!