第三章 未成熟者たちの葛藤

Ⅰ.興味の矛先

(5,252文字)

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【①錬金術とは何なのだ?】


 錬金術師の工房アトリエを初めて訪れたジルケは、見慣れないものが多くあるその空間に首をかしげる。好奇心で質問を飛ばすと、錬金術師は面倒くさそうな顔をするだけで答えてはくれず、子爵令嬢ウリカが代わりに説明をしてくれる。

(2,755文字)

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【②呼び分け】


 錬金術師のひねくれた性格と、それを隠そうともしない態度に強く興味を引かれるジルケ。錬金術が行使される様を見て、錬金術師が語る言葉を聞き、錬金術の本を読むなかで、錬金術に魅入られる一歩を踏みだすことに。

(2,497文字)

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Ⅱ.既視感

(8,499文字)

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【①ひょっとしてヒマなの?】


 仕事を終えて予定より早めに帰宅できたユリウスは、母親に命じられて、休む間もなくウリカを迎えにいくハメになる。錬金術師の家を訪れると、そこには十歳ほどの小さな少女がいて、その子に既視感めいたものを覚えるのだった。

(2,186文字)

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【②ナンパですか?】


 従妹のウリカが連れてきた少女ジルケは、自らの素性を言いたがらない。放っておくこともできず、家まで送ろうと提案するのだが、少女は貴族領にある西門広場まで送ってくれればいい、とかたくなな態度を見せる。

(2,625文字)

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【③じゃあ、行こうか】


 ベルツ邸を訪れていたジークベルトは、夕方が迫り帰宅しようと玄関ホールに向かう。ちょうどそこにウリカを連れたユリウスが帰ってくる。ユリウスはジークベルトを送っていくと言うのだが、ジークベルトは申し訳ないからと断ろうとする。

(1,814文字)

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【④情報は最大の武器】


 シルヴァーベルヒ邸に向かう馬車の中で向かい合ったユリウスとジークベルトは、雑談に興じる。将来的な話から、宮中のちょっとした内情へと話題は繋がる。そのなかで、使用人の噂話が意外と頼れる情報源なのだとジークベルトは語る。

(1,874文字)


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Ⅲ.いじわるの理由

(8,226文字)

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【①お貴族様って、面倒くさい……】


 ある日の朝、ウリカはベルツ家のティータイムに顔を出していた。ユリウスが仕事へと出かける段になって、アルフレート皇子のことが話題に上がる。母親カタリーナから皇子の人柄を問われたユリウスは、率直すぎる回答でウリカをヒヤリとさせるのだった。

(1,979文字)

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【②他人行儀だなぁ】


 ハインリヒがユリウスを送りだす様子を見たウリカは、二人の態度がぎこちないと感じてそう告げるが、ハインリヒには隙のない対応で交わされてしまう。しかしその直後、カタリーナ夫人が笑い含みに「ハインリヒはユリウスにをしている」と言うのだった。

(2,129文字)

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【③不快な内容かもしれませんが】


 カタリーナ夫人が出かけてしまい、とり残されたように佇むハインリヒを、ウリカはお茶に誘って席を勧める。会話のなかでハインリヒの過去へと話題が及ぶ。

(2,117文字)

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【④少し魔が差したようです】


 ハインリヒから過去の出来事を聞いたウリカは、好奇心だけで軽々しく聞いてはいけなかったと反省する。その後ウリカも錬金術師の家に向かう時間となり席を立つが、最後に何故ユリウスにいじわるをしているのかをハインリヒに尋ねる。

(2,001文字)


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


Ⅳ.苛烈の皇子

(6,027文字)

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【①強情な奴だ】


 ユリウスが後宮のアルフレートの元を訪れると、出迎えたアルフレートから、宰相になる気はないかと打診を受ける。それを断るとアルフレートはなお食い下がってきたが、皇子の主張すべてに理論立てた反論をして、頑なにユリウスは自分の意思を誇示するのだった。

(2,150文字)

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【②麗しいように見えるか?】


 謁見の間に参上したヴァルテンベルク公ザムエルは、皇帝代理を務めるアルフレート皇子に冷たく迎えられる。ある程度それを予測していたザムエルは、慌てることなく応じようとするのだが、それに対する皇子の反応は彼の予想と大きく違っていた。

(2,000文字)

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【③重大な罪】


 アルフレート皇子の合図で謁見の間に入ってきたうちの一人、ヒュッテンシュタット公カルステンの告発はザムエルの予想を超え、反論を容易には許さないものだった。そして、戸惑い慌てるザムエルに、アルフレート皇子は稀に見る厳しい裁可を下す。

(1,877文字)


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


Ⅴ.引きこもり公爵 VS 元公爵

(11,828文字)

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【①元公爵殿】


 追い詰められたヴァルテンベルク公ザムエルは、苦し紛れに他者へ罪をなすり付けようとする。その上さらに小僧呼ばわりされたカルステンは頭に血が上りかけるのだが、それを押し止めてヴァルテンベルク公爵に向き合ったのは妻ディアーナだった。

(2,369文字)

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【②メリットはどこにある?】


 ディアーナ、アルフレートと立て続けに挑発を受けるヴァルテンベルク公爵に、さらなる挑発を重ねてから、カルステンは問答を開始する。ヴァルテンベルク公爵の主張に対し、合理性を重視した論理的反論で、カルステンは相手の言い分を封殺していく。

(2,262文字)

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【③その失言を待っていた……】


 カルステンに言い負かされて追い詰められたヴァルテンベルク公爵は、領地管理人オットマールの単独犯行説へと路線を変更する。しかしカルステンがさらなる証拠の存在を示唆し、その言葉に焦ったヴァルテンベルク公爵は、うっかり口を滑らせてしまうのだった。

(2,670文字)

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【④卿は無欲だな】


 ヴァルテンベルク公爵を一喝して黙らせたアルフレート皇子は、功績に応じた報奨として、何か望みはないかとカルステンに訊ねる。それに対して、オットマールの言い分を聞いてもらいたいと申しでる。

(2,756文字)

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【⑤果たすべき責任】


 苛立ちを抱えて自室へ戻ろうとするアルフレートをユリウスが呼び止める。ヒルデスハイマー家への裁可を考え直して欲しいという言い分に、アルフレートは自身の中でくすぶる怒りを爆発させる。

(1,771文字)

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第三章の合計文字数:39,832文字

プロローグからの累計:101,032文字

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『たかが子爵家』あれこれメモ 鈴原みこと @mikoto-rin

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