第二章 街外れの錬金術師

Ⅰ.錬金術師の素質

(6,003文字)

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【①君には向いていない】


 弟子入りを志願する少女を家に上げたものの、ウィリアムはまともに相手をするつもりはなかった。しかし工房アトリエに入った子爵令嬢ウリカは好奇心を抑えようともせず質問を飛ばしてきて、作業に集中できない。仕方なくウィリアムは対話に応じる姿勢を見せるのであった。

(1,919文字)

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【②最も重要なもの】


 子爵令嬢ウリカに対して錬金術には向いていない理由を説明し、彼女の反論を封じたウィリアムは、少女の存在を無視して作業に戻る。夕方になって、一人の青年が訪ねてくる。それはウリカの従兄を名乗る第一皇子の首席近衛ユリウス・フォン・ベルツ伯爵だった。

(2,097文字)

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【③宿題にしておこう】


 迎えにきた従兄ユリウスとの問答の末に、ベルツ邸へ向かうことに前向きな姿勢を見せるウリカ嬢だったが、一方でウィリアムに弟子入りをまだ諦めきれない旨を訴える。ユリウスにまで嘆願されて、仕方なくウィリアムは彼女に宿題を課すことにする。

(1,987文字)


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


Ⅱ.女主人は強し

(4,592文字)

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【①伯母様と呼びなさい】


 ベルツ邸を訪れたウリカは、ユリウスの母親でありウリカの義理の伯母にあたるカタリーナ夫人の歓迎を受ける。錬金術師の家を訪ねて弟子入りを拒否されてしまったことを話すと、カタリーナ夫人はウリカの行動を否定はせずに、その背中をそっと押してくれるのだった。

(3,001文字)

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【②あなたもですか……】


 夜になって、ユリウスは母親のカタリーナと二人で食後のティータイムをとっていた。その会話のなかで、カタリーナに「いつになったらウリカに求婚するのか」と問われて、ユリウスは意表をつかれる。

(1,591文字)


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


Ⅲ.訳ありの少女

(7,375文字)

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【①汚ない手で触れるな!】


 錬金術師の家を訪ねた翌々日の早朝。再度の弟子入り志願をしに行くために馬を走らせていたウリカは、市街地の一角で言い争う男女の姿を発見する。成人男性二人と十歳ほどの少女が一人。場の雰囲気が険悪になった状況を見過ごせず、ウリカは彼らに声をかけることにする。

(1,882文字)

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【②おやさしいことで……】


 状況をひとまず確認したウリカは、男たちに「汚ない手」と言った少女の言葉をさとして、聖女のごとき優しさで男の手をそっと握るのだが、その直後に男たちの態度が一変する。

(1,546文字)

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【③右手以外は出せるわよ】


 本性を現した男が、抵抗しても無駄だとウリカを嘲笑う。しかしウリカはそれに対して笑い返し、肉弾戦のみであっさり男たちを撃退する。そして男たちに予想外の選択肢を突きつけるのだった。

(2,154文字)

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【④あなた面白い子ね】


 脅しめいた選択肢を提示したウリカが殺気を込めて笑うと、男たちは慌てふためいて逃げだした。ウリカは小さな少女を助け起こして素性を尋ねようとするが、少女は答えたがらない。対応に困ったウリカは、錬金術師の家に一緒に行くか、と少女に提案する。

(1,793文字)


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


Ⅳ.憂鬱の皇子

(7,137文字)

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【①執務はお控えください】


 後宮にある自室で書類と睨み合っているアルフレートを近衛騎士ユリウスが迎えにくる。室内の状況を目に留めて、ユリウスは私室で仕事をしないようにと思わぬ忠告をするのだった。

(1,935文字)

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【②ご忠告申し上げる】


 謁見の間へと急ぐアルフレートに、第二皇子レオンハルト・マルクが声をかける。アルフレートが無関心に応じると、レオンハルトは眉間にシワを寄せながら、皇帝の権力を私物化すべきではない、と忠告を飛ばしてくる。

(2,971文字)

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【③噂の絶えない従妹】


 謁見の間にて、アウエルンハイマー公爵が次男コンラートを首席近衛にと推薦したかと思うと、続くパッセンハイム侯爵が娘の宣伝をする。辟易したアルフレートが謁見を終えたあと、シルヴァーベルヒ家の変わり者令嬢の噂話を思いだして話題にのせる。

(2,231文字)


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


Ⅴ.錬金術師への反論

(7,016文字)

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【①君の子か?】


 道中で知り合った少女ジルケを連れてウィリアム邸を訪れたウリカは、錬金術師から笑えない冗談ジョークを浴びせられる。その後客間サロンに案内され、ジルケを連れてくることになった経緯を説明し終えたのち、ウィリアムから本題へ入ることを促される。

(2,314文字)

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【②残念だよ……】


 先日課された宿題に答えを出したウリカは、ウィリアムからひとまずの合格点をもらい、改めて主張を聞いてもらえることになる。ウィリアムに下手な理屈やウソは通じないと判断したウリカは、理屈を捨てて感情で訴えかけることにする。

(2,511文字)

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【③君はそれでいいのか?】


 父親のステファンがウィリアムの資金提供者スポンサーであると驚きの事実を暴露したあとに、ウィリアムは手の放せない研究を抱えているからと、本格的な錬金術の指導はできないことを告げる。それに対してウリカは、雑用係を買って出るのだった。

(2,191文字)

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第二章の合計文字数:32,123文字

プロローグからの累計:61,200文字

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