第13話 幸せな瞬間
龍介は私の首筋に顔を埋めた。
「…龍介…?」
「ヤベ…泣きそう…」
「えっ…?な、泣きそう…?ゴメン…私…」
グイッと両手を掴むと押さえる龍介。
ドキッ
龍介は埋めた顔をあげると私を見つめる。
上から見つめられる龍介に胸がドキドキ加速する。
「…龍介…?」
「…砂耶香…」
「な、何…?」
「…お前…俺の一生の女な」
「えっ…?い、一生の女って……やだ…都合のイイ女として、ずっとやっていかなきゃなんないの…?」
「誰もそんな事、言ってねーし」
「龍介から言われると、そうとしか…」
キスされた。
そのまま深いキスをされ、私の身体に熱を貫く。
あの恐怖感をかき消してくれるかのように
私達は1つになった。
次の日――――
ドキン
私の隣には龍介の姿。
私は龍介と1つになり関係を持ってから安心したかのように寝付く事ができた。
嘘みたいに目覚めが良い。
私は笑みがこぼれた。
これが幸せな瞬間なのだろうか?
すると、龍介が目を覚ます。
私は背を向ける。
龍介は私を背後から抱きしめた。
ドキン
「おはよう…砂耶香」
「お、おはよう」
「身体、大丈夫か?」
「…うん…」
振り返らせる龍介。
そしてキスをされた。
私は龍介に抱きつき龍介も私を抱きしめた。
それから龍介は、随分と変わった。
そして数ヶ月が過ぎ―――――
「砂耶香ちゃーーん♪」
背後から抱きつかれた。
「きゃあっ!」
私は着替え中だった為、上下、下着姿だ。
「セクシー♪抱いて良い?」
そう言いながら私の許可なく私の胸に手を当て触りだす。
「ちょ、ちょっと!龍介…っ!」
私は座り込む。
「どうしたの?」
「…ど、どうしたの?って…」
「感じちゃった?」
「バ、バカっ!」
「砂耶香…案外、び・ん・か・ん・♪そういえば…Hした時は案外、感じて…」
私はクッションを投げた。
「ぶっ…!」
私達は、あれからこの数ヶ月間の間に
何度か関係を持った。
私の不安と恐怖感を取り除く為、
二人で話し合った結果だ。
まだ、龍介から正式に付き合おうって言われていないから都合のイイ女っぽいけど……
龍介は私の前に座り込む。
「…砂耶香…随分とイイ女になって色気出てきてるよな……」
「…えっ…?」
スッと包み込むように優しく龍介は私の背中に手を回し抱きしめるようにすると見つめる龍介。
ドキン…
いつになく優しい眼差しだ。
グイッと抱き寄せると、キスをされた。
唇が離れ
「…龍…」
すぐに唇を塞ぎキスをすると、深いキスをされる。
つい龍介に身を委ねてしまいたくなるように私の両手が龍介の背中に回った。
初めて会った時から打って変わって私の知らなかった龍介を何度も見るようになった。
吐息が洩れ、名残り惜しむように声が洩れた。
自分の意外な行動に恥ずかしくなり、
かああああ〜っ!と、体が熱くなった。
「…可愛い…」
そう言うと龍介は抱きしめた。
「着替えて来な!出かけよう。砂耶香」
「えっ…?」
抱きしめた体を離すと、私の頭をポンポンとする。
ドキン
「外で待ってる」
そう言うと私の部屋を後に出て行く。
「…デート…?」
私は着替え、私達は出かけた。
「お前に大事な話があってさ」
「大事な話?何?」
「…遅くなったけど…砂耶香との事…本気で考えてやっていこうと思う」
ドキン…
「…えっ…?」
車を道路脇に止める龍介。
「あの日を堺に何度も何度も自問自答しながら、お互い話し合って、お前の事、抱いてたけど、このままじゃ駄目だって…」
「龍介…」
「ハッキリと自分の想いと向き合って砂耶香とも向き合わなきゃって思って…」
「…そうか…」
「…いや…何度も…自分の本心を砂耶香に言おうと思ってたけど…自分に自信ないっつーか…ハッキリとしてないのもあったし…」
私は龍介の両頬に優しく包み込むように触れる。
「…砂耶…」
私は龍介にキスをした。
「…都合のイイ女から…卒業…出来るんだね?」
「つ、都合のイイ女って…俺は全然、思ってなかったし!」
「そう?じゃあ…何?」
「それは…」
「…なーんて…ありがとう…龍介…考えてくれて…龍介が…いなかったら…私は…まだ…傷付いたままだったと思う…龍介が…いたから…ここまでこれた」
「…砂耶香…」
「…これから…改めて宜し……」
グイッと引き寄せるとキスされた。
唇は離れる事なく、そのまま深いキスを何度も何度も繰り返しされ吐息が洩れる。
唇が離れ、オデコ同士をくっつける。
「…砂耶香…俺こそありがとな」
くっつけていたオデコを離す。
向き合う私達。
「お前が俺を変えてくれた。お前と出逢ってなきゃ…変わってなかったと思う」
「龍介…」
「今日から改めて宜しくな。砂耶香」
「龍介…うん…」
私達はキスをし、正式に付き合う事になった。
〜 THE END 〜
ご拝読ありがとうございます☆彡
隣人さん ハル @haru4649
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