転校生は義妹です。
「今日から君たちと生活を共にする
先生の簡単な自己紹介が終わると美雨さんは笑顔で可愛く挨拶。僕もそっくりさんが美雨さんでホッとして身体の力が抜ける。
だがその安心で心地よくなった時間も束の間。クラスの男子たちがこっちを猟奇的な目でじっと睨んでくる。
「なぁ、
「あ、あぁ……」
裕翔が男たち代表のような立ち位置で質問してくる。それもいつもとは違う静かで不気味な程に曇った目。少しだが殺気さえ感じられるような。
「お前、今まで俺たちに隠してたってこどだよな。あんな可愛くてスタイルのいい妹がいることを……」
「でも僕は転校してくるってことを知らなかった」
「言い訳はやめろ!!……」
そう言うと裕翔は一歩二歩とこちらに近づいてきて、顔を耳元に近づけてきた。
「俺だけに美雨ちゃんを紹介しろ」
「……はぁ?」
「いやぁ、お前ら兄妹だろぉ」
「義理のな」
「この修羅場を回避したいなら従え、男たちはカンカンだぞ。兄妹ならなら親友の俺とあの美少女妹が付き合うのも願ったり叶ったりだろ? なぁ紹介しろよ」
裕翔は緩んだ面でしつこくせびってくる。
紹介するのはいいのだが、こいつが僕の弟分になるのは嫌だった。ぜったいタカられる。なので僕がこいつに言う言葉は一つ!!
「やだ」
「げぇーぇぇぇぇぇぇぇ〜」
「友達になりたいと言うなら紹介してやるけど、恋人立候補者としてなら僕は願い下げだ」
「もぉ裕理ちゃんったらぁ〜。ツンデレ頑固ちゃんなんだからぁ〜。そんなに可愛い妹が取られたくないんでちゅかぁー?」
「なんとでも言え。僕の気持ちは変わらん」
裕翔はジッと睨んで見てくる。だが少しすると諦めたのかガックリと肩の力を抜いた。
「それじゃぁ、友達でいいよ。紹介しろ」
「はぁ……、でも何か企んでるだろ」
「ソンナコトナイヨ」
片言言葉で答える。図星なのだろう。
どうせ「俺がNo.1友達になってあばよくば恋人にぃ〜」とか考えているんだろう。
「まぁ、いい。友達として紹介してやる」
「ありがとぉー!お兄さん〜〜」
「お前の兄になったつもりはない」
はぁ、裕翔には困ったものだ。これでやっと……
「「「お兄さぁーーーーーーーん!!!!!!」」」
「僕はお前らの兄さんじゃないっ!!」
この後、僕はクラスの男子のむさ苦しい塊の中で酷い拷問を受けた。(殆どが美雨さんの紹介のお願い)
元カノそっくりさんは双子の義妹です 星海ほたる @Mi510bunn
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