少女とウサギさんとの心温まる交流と奇跡を、桜の美しさや鮮やかさも織り交ぜながら読ませて下さるお話です。

この作品の素晴らしい所は、童話調の暖かで子供でも抵抗なく読める文体でありながら、言葉選びや表現力が卓越しているため、１場面ごとの情景が目の前に文字通り「パッと」浮かんで来るところです。
この２つ、ありそうでハイレベルに両立させてる作品は少ないので。

そこに加えて、主人公の少女の心情描写や行動、見たもの等が丹念に描かれているので、良質の児童向けアニメを見ているような感じで一気にラストまで読んでしまいました。

読んでけっして後悔しない１作です！！

懐かしくなるような、子ども時代の描写の中で、主人公が出逢う桜の木の精。可愛くて、不思議で、心温まるお話です。

純粋な子ども時代だからこそ経験できる、素敵な出逢い。

一話が短く、読みやすいので、主人公の思い出話を聞くような感覚で読み進めていけます。

ほっこりしたい方にオススメの物語です。

大学生の鶴子は、春休みの間、実家で過ごしながら毎日愛犬の散歩に出掛けていた。散歩の途中、川辺に生える一本の桜の木に立ち寄る。そこで座りながら、幼い頃にこの場所で起こった不思議な出来事を思い出すのだった――。

小学生の鶴子が出会ったのは、不思議なウサギさん。このウサギさんの鳴き声や仕草がとっても可愛くて、癒やされます。また、ウサギさんに出会ったのをきっかけに、彼女は奇跡のような不思議な体験をしていきます。

子どもの頃に感じたワクワクするような気持ちを思い出させてくれる、宝物のような物語です。