第108話 第二の猿の惑星

 コロナ禍で塞ぐ毎日。

『猿の惑星』というSF映画を思い出す。

 宇宙飛行士が6か月の旅を終えて帰還した場面は何と700年後の地球だった。

 そこには(人の言葉を話し文明生活を送る)猿と(言葉もなく飼育されている)人間たちがいる。


▼ネタばらしになるが(認知症の新薬を開発するための)実験用チンパンジーは変異して人の言葉を話す子孫を増やした。

 一方で人間は(ウイルスの感染症が急速に広がり)免疫系を強化した代わりに言葉を失う。

 SFとは言え皮肉な話である。

 原因不明の病気に対応しようと戦ったあげく人間らしさの象徴〈言葉〉を失ったとは…。


▼キンドル本の『衝撃! 人口の9割がサル』で、著者の奥田裕之氏は「地球は第二の猿の惑星である。

 あなたのまわりは〈ヒト型サル〉だらけだ」と煽る。

「そこで自分のシッポを探しているのは誰です?」


▼ヒト型サルと人間とを外見で見分けるのは無理らしい。

 それなら、コロナ禍の行動で見分けられないだろうか?

「偽情報に右往左往するのがヒト型サルだ」という仮説を立てれば、身の回りにも多く見つかりそうだ。

 政治家や(自称)専門家などのなかにも…。


▼疫病流行の際には、出所不明の情報が広がりやすい。

 更にそのデマを打ち消そうとする投稿の急増が、意図せぬ形で逆に社会を混乱させる。

 偽情報の大規模拡散に際し、WHOは「今やパンデミックのみならずインフォデミックにも襲われている」と注意を呼び掛けた。


▼インターネット上の書き込みは匿名性が高く、SNSなどでの誹謗中傷に繋がりかねない。

 そんな嫌な経験から、私のスマホにはフェースブックもツィッターも入っていない。

 アンインストール済だ。

○「いいね」とふ〈承認欲求〉の呪縛とけスマホをもつも電話するだけ


(20210524)

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