第75話 ホストジャンプ
コロナ禍で何かと話題の新宿歌舞伎町。
そこのホストたちと俵万智氏が、歌集『ホスト万葉集』を作ったとか…。
○歌舞伎町の七十五人が三百首の『ホスト万葉集』を上梓するとふ
▼話を飛ばせば…。
ウイルスが変異して、別の宿主(ホスト)で病原性を獲得することを「ホストジャンプ」という。
これまで人間に感染したウイルスの多くは、他の動物からホストジャンプした結果だと考えられている。
▼たとえば(宿主のコウモリには目立った病気を起こさない)エボラウイルスが、ホストジャンプして人間に感染すると(致死率50~80%の)エボラ出血熱を引き起こす。
SARS(ハクビシン)やMERS(ラクダ)も同様である。
▼なぜホストジャンプするのだろうか。
そのヒントになるのが(1950年代にオーストラリアで行われた)ウサギ粘液腫ウイルスによるウサギ駆除作戦である。
爆発的に繁殖したウサギの90%が駆除されたが、致死率(90%以上)は6年後に20%程度まで低下した。
その理由として考えられるのが…。
①耐性・抵抗性を持つウサギだけは生き残り個体数を増加させた。
②急速な遺伝子変異の結果、ウイルスの病原性が低下していった。
▼時代をさかのぼれば…。
ウサギのいなかったオーストラリアに(狩猟の獲物として)イギリスから24羽が持ち込まれたのが1859年。
ウサギは繁殖力が強く(天敵もおらず)1920年には全土の70%まで広がる。
野生化したウサギは草を食い尽くし、オーストラリアの豊かな農業地帯が荒れ地と化した。
それで困ったあげくの駆除作戦だという。
▼人間こそは自分勝手な生き物である。
「哀れなウサギの虐殺に、僕たちを悪用するなんて!」と、ウイルスも腹を立てていることだろう。
○ウイルスのホストジャンプの奇怪さは擬人化されしアニメキャラ並
(20201005)
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