第74話 賢い選択
「軽薄な人は運勢を信じ、思慮深い人は因果関係を…」とRWエマーソンは言う。
しかし〈因果関係〉なるものは難しい。
「風吹きゃ桶屋が儲かる」は極端としても、似たような笑い話は後を絶たない。
▼〈チョコで若返り〉のナゾ?
「チョコレートを食べていない場合との比較がない」とか「被験者の数が少なく実験期間も短い」などと糾弾。
さらには(チョコレートメーカーが研究プロジェクトに入っていた)研究倫理の利益相反も…。
内閣府の研究支援事業に、ムラ組織内の忖度が災いしたのだろう。
▼〈飲むコラーゲン〉のナゾ?
「老化で皮下のコラーゲンが減少して、シワや弛みが増える」とは言える。…が
「飲んだコラーゲンが分解されず皮下だけに貯まる」ワケはない。
「膝の痛みがとれ歩けるようになった」というコマーシャルもチョット気になる。
「飲んだサプリメントの成分が膝関節に貯まる」と言いたいのか…不思議だ。
○「良く効く」とふコマーシャルこそあやしけれ 耳に唾つけ聞くべかりけり
▼一般に言う「無駄な医療行為」とは、医者が〈無駄〉を承知で行っているか否かに分けられる。
前者は目的が利益追求かリスク回避かによって更に二分できるから、3つの無駄は「医は算術型・訴訟回避型・不勉強型」とでも呼ぼうか。
▼米国では多くの医学会が〈必要性に疑問のある医療行為〉をリストアップしている。
チュージング・ワイズリー(賢い選択)というキャンペーンだ。
日本人がノンビリしているうちに〈黒船来航〉とばかり大騒ぎになるだろう。
「日本の常識は世界の非常識」とも聞く。
▼ちなみに、医者との関係が良好で前向きな患者さんは免疫機能もあがるそうだ。「人生は一度きり!」である。
その命をゆだねる…主治医は慎重に選びたいもの。
○「保養とて病を慎み医を選べ」益軒の言葉は今に通じる
(20200928)
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