第68話 三人の卓子で
定価960円の『文藝春秋』はコスパがいい、と思う。
我家では夫婦で読むから一人480円也だし、一か月かけて様々に楽しむのだから…。
▼私の楽しみ方は、まず裏表紙をめくり投稿欄『三人の卓子』で自分の名前を探す。
…即「まあそうだよな~」と独り言ちる。
気を取り直して『古風堂々』に戻り順番に読み始める。
一週間以上かけて『社中日記』までたどり着く。
▼なぜ遅読なのか?
『三人の卓子』へ応募するため、ネタになる記事を見つけては手当たり次第に書く。
メールで送ったら、目次の当該箇所を水色マーカーペンで塗りつぶす。
「文藝春秋をしゃぶりつくす」
○文藝春秋の〈三人の卓子〉に投稿し吾も文士の端くれとなる
▼『三人の卓子』の投稿規定「六百字以内。二十日締め切り」なら楽勝だ。
「読者から筆者への反論、編集者への注文など、小誌記事についての自由な意見をお寄せください」とある。
何本でも書けるが、没になった原稿が可哀想。
▼そこで〈没書供養〉にと始めたのが、ブログ『三人の卓子で一言』の公開だ。
それも(誌面の雰囲気を出そうと)縦書きの【g.o.a.t】サイト(yukion109-md.goat.me)にした。
〈三人〉とは、卓子(テーブル)を囲む読者と筆者と編集者のことらしい。
その誌面とネットのハイブリッド版を目指す。
○行間にも思ひを籠めてつづるなり筆力衰へぬ間にと急ぎて
▼菅原道真公が夢枕に立った。
「何やらたくさん投稿しておるようだが、謝礼(図書券)目当てではなかろうな」と、学問の神様は鋭い。
「図書券はいりませんので、何とか掲載してください!」…ここで目が覚めた。
「ハイブリッドだ!」などと自慢しても、結局のところは(紙と活字にこだわる)アナログ人間なのであった。
(20200816)
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