第58話 「他山之石」と

 北海道新聞(電子版)の引用だが…。

「新型コロナウイルス集団感染の老健施設(札幌市)では、感染した入所者の多くが施設内にとどまっている。行政が対応に苦慮する間にも、入所者の安否に苦悩する家族がおり、人員不足に追い詰められる職員たちがいる。…と、悲惨!

○札幌の老健施設でクラスター、感染八十五人、死者十一人とふ

○混乱の〈アカシアハイツ〉の患者移送、家族らあはれただおろおろと


▼厚労省は(5月5日時点の)新型コロナウイルス感染症の年代別感染者数と死亡者数を公表した。

 これを致死率で見れば80代以上(15%)70代(7%)と、高齢者が圧倒的に高い。

「もし自分がかかったら…」と、私たち高齢者は今から覚悟が必要らしい。

 否々、自分の最期を考えるべき機会…後藤新平の曰く『天の啓示』だとも思う。


▼NHKが全国の自治体に行った取材では…。入所系の高齢者施設(特養や老健、有料老人ホームやグループホームなど)では、少なくとも利用者380人余り(職員およそ170人)が感染し、このうち16%にあたる利用者60人が死亡していた、という。

 この数字は(感染対策が個々の施設にゆだねられている)日本の介護施設の現状である。


▼一方「都市封鎖せず」と独自の〈緩めな対策〉を取るスウェーデンだが「高齢者施設の訪問は法律で禁止」されているそうだ。

 それでも「高齢者施設での集団感染を防げなかった」と、公衆衛生局。

 スウェーデンの(100万人当たり)死亡者数は世界ワースト6位だとか…。


▼北海道にしてもスウェーデンにしても、これを「対岸の火事」と見てはいけない。

「人のふり見てわがふり直せ」である。

「他山の石」としたい。

 コロナ禍を乗り切るため、老健カルモナでは、パソコン画面越しの〈リモート面会〉で、入所者にも家族にも我慢してもらっている。


(20200601)

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