第53話 『失敗の本質』

 またしてもシンゾウ君がやらかした。

 てっきり(質の悪い)エイプリルフールかと思った。

 布マスクを5000万世帯に各2枚配布すると言う。

〇コロナ禍に〈失敗の本質〉を読みかへし「マスク二枚」が竹やりに見ゆ


▼1984年に初版発行された『失敗の本質』には、危機的状況に弱い日本人が予言されているようだ。…と「超入門・失敗の本質」で鈴木博毅氏は看破。

「最前線が抱える問題の深刻さを中央本部が正しく認識できず〈お上〉の権威を振りかざすだけで最善策を検討しない。部署間の利害関係や責任問題のゴマカシが優先され、変革を行うべきリーダーが不在」とも。


▼〈七つの敗因〉で最も気になるのが「日本的メンタリティ」だ。

 いわゆる「空気」の存在や(厳しい現実から目をそらす)危険思考への集団偏向。そしてリスク管理の誤解である。

○頼りなき為政者のもと民たちが消耗するは昔日の如し


▼先日もシンゾウ君は、緊急事態宣言の会見で(外国人記者の質問に)本音を漏らしてしまった。

「最悪の事態になった場合…私が責任を取ればいい、というものではない」と。

 緊急事態宣言をしたばかりの口で、こんなコメントをするとは…。

○覚悟なき緊急事態宣言のこの軽さでは危機伝はらじ


▼数日後には、もっと嘆かわしい政治家の発言も…。

 リスクコミュニケーションの欠片すら感じられない。

○八割の外出自粛要請に「代議士は無理」と逃げし幹事長よ


▼頼りないのは政治家だけじゃない!

「このままでは財政破綻するから医療費抑制を」と言い続けた官僚は、今の医療崩壊前夜をどう見ているのだろう。

○お役所の無謬主義には都合よき「想定外」とふ言葉も常添ふ


(20200427)

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