第36話 歯周病で認知症

 「歯周病がアルツハイマー型認知症の原因になる!」らしい。

 こんな興味深い論文(J. Alzheimer's Disease, 72, 479-494, 2019)を見つけた。

「ヒト歯周病の歯ぐきから、アルツハイマー型認知症の脳内老人斑成分が産生されることに大変驚きました」と、著者である九州大学の研究者は語っている。

「アルツハイマー型認知症予防に、口腔ケアはとても重要です」とも。


 これまでも口腔ケアは重視されており、「虫歯予防・歯周病予防に口腔ケアを」と言われてきた。

 〈8020運動〉曰く

「いくつになっても、ちゃんと噛んで食べられるように!」と。

 この口腔ケアに〈認知症予防〉という素晴らしいオマケまでつくとは…。

○認知症予防せむとて歯磨きす マウス実験の成果を信じて


 歯周病が全身に及ぼす影響は、このほかにも指摘されている。(日本臨床歯周病学会のホーム頁より引用)

・狭心症や心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病・早産や低出生体重児・誤嚥性肺炎・骨粗しょう症・関節炎や腎炎・メタボリックシンドローム、など。

○「歯周病は万病のもと」と唱へたし アルツハイマー型認知症予防にも


 食べること…高齢者にとっては(単なる栄養補給にとどまらず)生きる気力をも支える。


 老健カルモナのプロジェクトT(たべる)は、「食べる楽しみを安全に提供します」のモットーを掲げている。

 その一環として、口腔ケアは欠かせない。

 この度、訪問歯科医の杉山ちか子先生が〈滝沢市市政振興功労者表彰〉を受けられた。御同慶の至りである。


 さて自分の歯は…。

 青山に引っ越してから、プロの口腔ケアは御無沙汰だった。

 とりあえず、マンション近くの歯科医院へ予約の電話をしてみよう。

「どうされましたか?」

「認知症の予防をと思いまして…」


(20191216)

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