第30話 天の岩屋戸
数か月前の新聞で「岩手県議会は七月から会議録作成に人工知能(AI)を活用!」という記事を読んだ。
AIが文字化した会議録を県庁職員がチェックするそうだ。
当然だと思う一方、いつかチェックが形骸化するのでは?との心配も…。
「間違いない」と手抜きをしたがるのが人間の悲しい性(さが)だ。
AIをAmano Iwayatoのイニシャルだと思っているわけではないが…。
○AIは磐戸の陰におはします天照らす知とまで言ふ人さへ居る
もう一つ懸念がある。
政治家が原稿の漢字を読み間違えた場合…〈云々〉を「でんでん」とか、〈背後〉を「せいご」とか、〈踏襲〉を「ふしゅう」とか、挙げればきりがない。
そんなとき、AIはどんな議事録を作るのだろう。意地悪だが、ちょっとした楽しみでもある。
リスクマネジメントの観点に立てば、〈読み間違え〉をなくすためには原稿を読まなければいい。
あらかじめ質問書も答弁書も作られているだろうから、これをやり取りすればヤジのない上品な議会になるだろう。
議員の成り手がない、と心配される地方議会…。
近未来的に発想を飛ばせば、自宅にいながらネットで議論する〈仮想議会〉の時代がくるかも。
日本が目指す社会の姿…〈五次社会:Society 5.0〉が提唱された。
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより実現するらしい。
いわゆるビッグデータを解析して、AIが人間の世話を焼くということか…。
ちなみに、狩猟社会が〈一次社会〉で、農耕社会は〈二次社会〉、工業社会は〈三次社会〉だそうな。現在の情報社会は〈四次社会〉というらしい。
便利に使っているつもりのAIが、いつの間にか人間の立場と逆転しないよう願う。
○AIに取り仕切らるるか五次社会 われら二次あたりが相応と思ふに
(20191021)
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