第28話 ボケ除け延寿守り
歳のせいか、普段と違うことをするのが面倒くさい。
ちょっとした出張でも、出発が近づくと気が重くなる。
何も足腰が不自由だというわけではないが…。
ということで最近は妻を誘って(文字どおりの)同行二人旅。
○「Let it be!」と有りのまま生くる老いの知恵。げにすべからくは心の養生
八月末に福島市で東北地区老健大会が開催された。
その際、〈介護助手〉導入のための補助金事業が二次募集も締め切られた、と聞いた。
全国老健協会の東憲太郎会長は基調講演で「元気高齢者が担う介護助手」の導入効果(25施設)を紹介した。
介護スタッフの〈離職率〉は、導入前(平成二十六年度)の12.1%から、導入後の平成三十年度には5.1%まで低下したという。
そして「来年度に向け各都道府県へ働きかけるように」と参加者へ檄を飛ばした。
さてさて、岩手県における進捗状況や如何に…。
学会への参加がきっかけで、「年に一度くらいなら…」と〈命の洗濯〉もしてきた。
○妻つれて〈いい電〉のりて飯坂温泉へ仕事がてらに命もあらはむ
○「ちゃんこちゃんこ」は石段のこと。リハビリによろしと飯坂温泉めぐる
仲居さんから「おみやげです」と渡されたのがボケ除けの延寿守り。
由緒あるホテルで天皇陛下も滞在されたと聞いてふと思った。
ヤンゴトナキ方々にも差し上げたのだろうか…。
○飯坂温泉の御守り札に「ボケ除け」も。ありがたくもまた寂しくもあり
その御守りだが…今は老健カルモナの診察室にかざってある。
「誰のためか」などと聞くだけ野暮。
「老い等のために」だ。
○ボケ除けの〈延寿守り〉に見つめられ診察室に霊験あらむ
○爺医なればYouよりWeで語りたし診察室の空気よみつつ
(20191007)
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