　暑苦しい！

「夏バテ予防に蒲焼き」と土用の丑の日は大騒ぎ。

　〈土用の丑〉は四季それぞれにあるので、正確には「夏の土用の丑の日」と言うらしい。

　その日が今年は七月二十八日の土曜日だったから少々ややこしい。

　これを益々ややこしくしたのが環境省のツイッター。

「食品ロスにならないよう大事にいただきましょう。できるだけ予約して、季節の行事を楽しみましょう！」と。

　これに対して「絶滅危惧種を食べるよう推奨するのは如何なものか」などの批判が相次いだ。

　すぐに環境省は削除したものの、使われていた〈鰻重〉の画像が飲食店検索サイトからの無断転用というから随分ややこしい。

　数年前…東日本大震災後の医療支援で宮城県の南三陸町に暮らした頃…の話。

　借家は潮騒が聞こえる場所にあり、新鮮な海の幸には恵まれた。

　それでも「たまには鰻を…蒲焼を」と登米市へ連れだって出かける。

　北上川沿いに二店あるが、評判通りの絶品で甲乙つけがたい。

　盛岡へ引っ越してからも夏バテ予防にと蒲焼きを食べた。

　…が、登米で食べた絶品には巡り合えない。（盛岡の名誉のために言えば）寡聞にして知らないだけなのかも…。

　盛岡の近場で絶品の蒲焼を出してくれる禁煙のお店があったら是非お邪魔したい。

　禁煙の店探しが面倒になり、近頃は自宅で妻の手料理…お気に入りは〈鰯の蒲焼き〉だ。

　これなら当分は「絶滅危惧種を食べるなんて」と批判されることもあるまい。

　新鮮で脂ののった鰯を「ホントはめんどうだけどね…」と妻は手開きにしてくれる。夏バテ予防には、この一手間が秘訣なのかもしれない。

　もともと必須アミノ酸のDHAやビタミンＢ・Ｄが豊富な鰯。

　これに妻のビタミンＩ（？）添加の蒲焼きはおいしい。

○食へるうち作れるうちの楽しみと鰯の蒲焼き匂う夕暮

（２０１９０８１２）

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