第20話 令和の〈遷都〉

 ものぐさ短歌教室で〈一日一首〉…。

○「団塊」と呼ばれて昭和は駆け上がり平成は下りこし〈一粒〉我も

○常ならず「四月晦日」の今日はまた「平成晦日」と言ふも宜(むべ)なり

○令和なる新元号を機に読まむ斎藤茂吉の万葉秀歌


 いにしえの〈改元〉で思い浮かぶのが、人心一新のため繰り返された〈遷都〉だ。

  

 令和の改元を機に…ではないが、我が家も引っ越しを。

 開運橋から滝沢への通勤では、青山踏切が渋滞のネック。

 経路や時間帯を変えてみたものの…。

 結論は〈職住近接〉で「いざ遷都せむ!」


 青山の新居からだと、通勤時間は半分以下で変動もなくなった。

「時間が読める」のだ。

 夜間の〈看取り〉の場合でも、すぐに職場へ駆けつけられる。

○そにどりの青山の地に住すれば岩手山麓に職場すら見ゆ

○書斎にて職場をながめてとるスマホ。 ナースの声ぞ近く聞こゆる


 引っ越しから間もなく、老健カルモナの裏に、滝沢中央スマート・インターチェンジが開通した。

〈職住近接〉だから、新居からも東北道が使いやすい。

○カルモナに〈滝沢中央〉開通し東北道にて弘前も近し


 〈職住近接〉の暮らしは快適である。

 …が、唯一の難点はマンションの地下駐車場だ。

 車庫入れで気を遣う。

 それだけに、一発で決まると気持ちが若返る。

○マンションの地下ガレージに慣るるころ新居の暮らしぞ既に二月(ふたつき)

○車庫入れが大儀とならば返納せむ免許証なるマジカルパワーも


 運転免許証を返納後も、できるだけ長く医者を続けるつもり…それもW2W(WALK TO WORK)で。

 晴れたら徒歩通勤を、雨の日は文筆に親しもう。

 言わば「晴療雨書」の二足の草鞋。

○エイジング・パラドックスぞありがたき。老いて〈幸福〉感ずる仕組み


(20190701)

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