第14話

 私の右手に持つ、


 一束の髪を、


 ショートヘアの私の後頭部へ




「変身、ポニーテールガール!」




 本当は要らないかけ声と共に、


 まばゆい光に包まれ、


 変身する私。




 筋張った、ギスギスの手足は、


 白くて細いしなやかな手足に。


 くびれは、ウエストに。


 胸の


 豊かな膨らみ、


 私に戻る。




 赤い唇と愁いを含む怪しい光を放つ目。


 白い肌とポニーテールの揺れる髪。




 そして、


 そして…。




 白い私の肌を


 遠慮がちに包む。


 私のビキニアーマー。


 大人の魅力。


 溢れ出す。


 私のビキニアーマー。


『ここに、ポニーテールガール誕生する』


 怒りのいかずちを纏う私のビキニアーマー。

 黄金に輝く。


 動かない同僚、先輩。

 未来を失くした旦那様の姿。


 私の、目から血の涙。

 流れる。


 ポニーテールはそのままに、

 私の手には、鞭。


 左手には、荒れ狂う雷の鞭。

 生き物のように。

 右手には、燃え盛る炎の鞭。

 蠢く。



 チクチク11が、剣を振り上げたその瞬間。

 手を動かしてはいない雷の鞭

 チクチク11を襲う。

 彼の持つその盾、触れた瞬間、紙のように引き裂かれ

 その身体、

 断ち切られる。

 再びの雷撃、その身体を微塵に変え

 チクチク11の存在、

 地獄の塵になる。


 ケンタウルス、チクチク0。

 瞬時の状況判断。

 地獄の矢の第二撃、放つ。


 炎の鞭、

 手を動かさず、伸びていき、

 矢を捕らえる。

 全てを貫く、地獄の矢。

 一瞬で蒸発。


 さらに、ケンタウルスを襲う炎の鞭。

 しかし、ケンタウルスのチクチク0、

 地獄の王子を乗せ、既に逃げた、その場所。

 空っぽ。

 状況判断力、優秀。


 未来を無くした旦那様の元へ駆け寄る私。


「早く、先輩と同僚さんを助けてあげてください」


 彼は、助かりそうにありません。

 私は泣きながら

 

「どうやって?」


「あなたには、運命を自由に変える力を与えられています」


 思い出しました。

 作者さんの解説。


 雷の消えた鞭を素早く振り上げ、先輩と同僚に触れる。

 彼女たちのここで死ぬ運命を変える。

 すぐに、意識を取り戻す彼女たち。

 旦那様の未来も取り戻すために、鞭で触れる。


「無理です。運命の女神の力は、地獄の者には通じません。私の存在はここまで」


 私の涙は再び溢れ出した。


「最後に、これだけは、信じてください。私は、私自身の過去を取り戻さなくて、良かったと思います。さあ、早く元の世界へお帰り下さい」


 私の未来の旦那様予定の彼は、未来を失い、地獄の塵に姿を変えた。


 元の姿に戻る私。

 琥珀の門呼び寄せ、3人で飛び込む。


 元の世界に、帰って来ました。

 元の世界?


 私たちの姿、OL。

       (?_?)


 忘れていました。

 私、自慢では、ありませんが、スーパー、エクストラ、超方向音痴。


 元の世界への道が、分かりません。

 私たち3人、これからは、違う世界のオフィスレディ。


 先輩、同僚の記憶。

 この世界のOLの私たちの記憶と入れ替わる。

 この世界の私たち、きっと理系女子のあの世界へ。


 健闘を祈ります。


 では、皆さま。

 取りあえず…


            さよならです (^ε^)-☆Chu!!

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ポニーテールガール @ramia294

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