1章 今日も推しがいるからサイコー!
学校にいるときとは打って変わって、帰り道私は今日もルンルン気分で、自転車をえいさおいさと坂道を登っていく。
家に帰れば届いてるはず、そう思うと自然と口角があがってしまう。
「待っててなさい。私の天使ちゃん!」
激こぎすること10分、家へ到着。息も絶え絶えではあるが今の私には関係ないぜ。
「ただいま!ねえ届いてる!?とどいてるよね、天使ちゃんSPECIALライブブルーレイ!」
「はい、はい届いてるよ、お姉ちゃん。全く、普段は根暗女なのに天使ちゃんのときだけはしゃいじゃって」
リビングからひょこっと顔だけだしてあずさが気だるげに答えてくれた。ていうか、天使ちゃんの歌がめっちゃ部屋から流れてる。そしてよく見ると、あずさの頭には天使ちゃんの鉢巻・そして両手にはブレード2本。まさか…
「あー!!!やっぱり私の天使ちゃん勝手に再生してる。あれだけ先に見るのは私って言ったでしょ!全く妹ってのは…」
「まあまあまあ。ほらこれ持って、最初から一緒にみよ。ねっ。」
そう言うと私と違って、ぱっちり大きなお目々をウインクしながら、ブレードを渡してくる。我が妹ながらオタク全開装備のいまですら憎たらしいぐらいかわいいぜ。「まじ抱きしめてえ」
「お姉ちゃん…。ちょっとキモいよ」
おおっと口に出してしまってたようだ。私の最推しは天使ちゃんだけど、妹も捨てがたいくらい可愛いからな。ほんと我が人生最高だぜ!うん、うん。
「お姉ちゃん。キモ発言して、満足げな顔してうなずいてないで、早く天使ちゃん見よ」
そうだった。今日は通販戦争に勝ってゲットしたブルーレイをじっくり10周はしないと。
「じゃあいくよあずさ!これから天使ちゃんの世界へレッツゴー!」
推しに感謝して今日も懸命に生きないとだめなんだからね!世界平和は推しのおかげ? @rudy1111
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