幽霊の館

ねこあな つるぎ

第1話 マナ

 森にぽつりぽつりと生えた林檎の木。

 私はその木に生えた林檎を一つ手に取って、齧りつく。

 美味しくない。理由はわかってる。ここの林檎は青いから。


 どうして赤くないんだろう。

 私はいつもそう思い、物思いに耽る。

 で、気付くといつも同じ場所に立っていて、同じ墓標を眺めていた。


 多分、私のお墓。manaと刻まれている。だからみんな私のことをマナと呼ぶ。

 でも掠れた文字が三つほどあとに続いているから、私の本当の名はもっと長いんだと思う。

 

 でも読めるだけマシ。他のみんなのは読めない。きっと顔がないからだろう。

 そういえば私は、どうやって冷たい土の下から這い出てきたんだっけ。

 這い出てきたみんなに聞いてみよう。


 私の家はすぐ傍にあり、私はみんながいる家に戻った。

 すると、シャンデリアの下で踊るみんなが、私に笑顔を振り撒いてくれた。


「やあ、マナ。おかえり」


 ただいま。ねぇ、聞いて。みんなはどうやって冷たい土の下から這い出てきたの?

 みんな分からないように、沈黙を返してくる。

 きっと頭がないから、何も覚えていないのだろう。


「それより僕らと遊ぼうよ」


 今はそんな気分じゃないの。ごめんなさい。

 私はそう答えると階段を上がって、角にある自分の部屋に入った。


 私には首がある。大きな鏡に映っているから。

 でも私は自分の白い目や髪が好きじゃない。いつも着ているこの白い服もだ。私は赤い目や髪の方が好き。

 服だってそう。クローゼットの中には沢山あるけれど、あれはみんなの服。それにちょっと汚い。全部拾ってきたものだから。

 

 私は隣室に向かう。父のいる部屋だ。


「やあ、マナ。今日も綺麗だね」


 父はいつも私の容姿を褒めてくれる。だから凄く好き。丸々太っていて、優しそうなこの人にして良かった。


「マナ。そういえば母さんが呼んでたよ」


 お母さんが? 何の用事だろうと、私は父の部屋を出て、隣の母の部屋に向かった。

 

「マナ。今日の夕飯はシチューにしようと思っていたのだけれど、あなたはポトフの方が好きかしら?」


 ドアノブを捻って扉を開けると、開口一番そう言われた。

 どっちでもいい。母は料理下手で、何を作っても同じ味がする。

 

「そう、両方がいいの。でもお母さん一人じゃ大変だから、あなたも手伝って」


 そのうえ一人じゃ何も作れないから、いつもそう言って私に手伝わそうとする。

 この人にしたのは失敗だったかな。今度下にいる誰かと変わってもらおう。


 私は母と一緒に一階にあるキッチンに向かい、料理を作り始めた。

 みんなの分まで作らないといけないから大変。火を点けるものがないので火を起こしたふりをして、水の入ったお鍋を煮炊き始める。

 具材はもう中に入っている。すぐそこで採ってきた林檎が沢山。私達は出来上がるのをじっと待ち、お皿によそってみんなのところへ持っていった。


「さあ、どうぞ召し上がれ」


 自信満々に母がそう言うと、みんな美味しそうに林檎のシチューとポトフを食べ始めた。

 私は美味しいなんて思わなかったけれど、みんなが喜んでくれたならそれでいい。

 でも食べ終わったならご馳走様くらいは言って欲しい。いつ片付けたらいいのか分からない。


 美味しい美味しい言ってたくせに、みんな沢山料理を残していて、全部お鍋の中に戻して、私はまた外に出る。


 夕飯のあとの散歩は私の日課。暗い夜道を歩くのは好き。朝も歩きたいけれど、日の光にあたると肌が焼けるように熱くなって、痛くて歩けない。


 明るい所を一度でいいから歩いてみたいな。私はそう思いながら、森の中へと足を踏み入れる。

 森には小鳥がいるはずだけれど、ここにはいない。

 リスも、小鹿も、なんにもいない。

 でも静かなのは嫌いじゃない。それに、耳を澄ますと妖精達の声が聞こえてくる。

 

「マナ。今日も良い月夜だね」


 そうねと返して、私は空を見上げた。

 青い三日月が浮かんでいる。綺麗な色だとは思う。でも私はやっぱり赤が好き。

 どうして私はこんなにも赤い色が好きなのだろう。


「僕には分からないよ。他のみんなに聞いてみたら?」


 それ言われたから聞いてみたけれど、誰も知らなかった。

 

「ごめんね。僕らも首がないから」


 どうしてみんな首がないのだろう。聞いてもきっと、みんな知らないんだろうな。


「どうして君には首があるの?」


 分からないから私は首を横に振った。


「羨ましいな。振れる首があるなんて」


 首が欲しいの?

 尋ねたって答えてくれなかったけれど、私は林檎をむしると、羨ましがっている妖精に首をつけてあげた。


「わあ、嬉しいなあ!」


 妖精はとても喜んでいた。

 そうだ。みんなにも首をつけてあげよう。

 私は急にそう思い立ち、林檎を沢山むしって家まで駆けていった。そして、みんなにつけてあげると、みんなとても喜んでいた。

 でもすぐに下に落としてしまう子がいて、その子だけは泣いていた。


 大きな杭でもあったら落ちないようにしてあげるのに。

 仕方がないからその子には両手で持ってもらった。するとその子は泣き止み、私に笑顔を振り撒いてくれた。


「マナ。お父さんとお母さんを忘れているよ」


 その子に言われ、私はハっとした。そうだった。忘れていた。

 でも父の分だけでいいだろう。あんな料理下手な母はいらない。今度どこかへ捨ててこよう。


 私はまた林檎を摘みにいき、二階に上がって父にも首をつけてあげた。

 喜ぶ父の顔を見ると私も嬉しくなり、弾むような気持ちで母を捨てに行ったら、泣いて謝られたので許してあげることにした。


 母も毎日一生懸命作っているのだ。そのことを忘れてはいけない。

 私は感謝の気持ちを込めて、母の首は林檎より大きな椅子にしてあげた。


「マナ。とっても大きな首をくれて、お母さん嬉しいわ」


 母はとても気に入ってくれたようだ。だったら今度、もっと大きな首を持ってきて、床に埋めてしまおう。そうしたら料理を手伝わされなくてすむ。喋れなくなるだろうし。


 母の部屋を出ると、私はまた散歩に出掛けた。

 次は何して遊ぼうかな、なんて考えているうちに空が明るくなってきて、私はハっとした。


 早く家に戻らないと。でも木立の陰から出た瞬間、肌が焼けるように痛み、私は家に帰れなくなってしまった。

 

 日が昇るにつれ、木漏れ日が落ち始め、だんだん身を隠す場所がなくなってくる。

 だから私は必死に駆けた。暗い影のある森の奥へと。

 

 初めてだった。こんな森の奥深くまで分け入ったのは。

 私はぜぇぜぇ息を吐きながら、日の光が入ってこないことを確認すると、その場に座り込む。

 

 私は何をやっているのだろう。

 きっと、朝になっても帰ってこない私のことを、みんな心配している。

 荒い呼吸が収まってくると、妖精達が姿を現した。

 でも私の知ってる子達じゃない。林檎の首をつけてない。


「僕らにも首をちょうだいよ」


 話し相手になってくれるのは嬉しいけれど、ごめんなさい。今は林檎を摘みにいけないの。

 林檎の木は家の周りにしか生えておらず、私は話し掛けてきた子に首を横に振って返した。


「いいなあ。羨ましいなあ。だったら僕らには、葉っぱの首をちょうだいよ」


 葉っぱ……? と、私はきょとんとしてしまう。

 一枚むしって置いてみたけれど、ひらひら舞ってうまく置けない。


「大丈夫さ。上に放り投げてみて」


 言われた通りすると、ひらひらひらひら首を動かして、妖精達は葉っぱの首をとても喜んでいた。

 そんな妖精達を見ていると私も元気が出てきて、腰を上げて歩き始めた。


 少し興味が湧いていた。森の向こうはどうなっているのだろうと。

 初めてそんなこと思った。


 私は木立をずんずん突き進み、やがて、森の向こう側を目にした。

 とても明るい世界だった。今すぐにでもこの森から飛び出し、外に出たいけれど、出たら肌を焼かれてしまう。だから私は夜まで待つことにした。

 

 どうして月は中々顔を出さないのだろう。早く顔を出せばいいのに。

 沢山の妖精達が遊びに来てくれたから、それほど退屈はしなかったけれど、家で待つみんなのことを想うとあまりお喋りを楽しむ気にはなれなかった。

 

 やっと日が沈んできて、月が顔を覗かせ、私はわくわくしながら森の中から飛び出す。でも気付くと反対側を向いていて、ちっとも森から出られなかった。


 私は途方に暮れる。どうして出られないのだろう。

 そうだ、みんなに聞いてみよう。私はそう思い、森を横に突っ切り始める。


 森には一本道が通っていて、きっとそこに出られるはずだ。森の中を帰るより、そっちから帰って方がずっと楽。起伏のある道を帰るのは疲れる。


 しばらくすると一本道が見えてきて、私は森を抜け、足を止めた。

 あとはこの道を真っすぐ帰るだけ。早くみんなに逢いたくて、また駆け出そうとしたその時、


「お人形遊びは楽しいかい? 稀有なる魂よ」


 耳慣れない男の声がして、私はびくりと震えた。

 声は空から降ってきた。見上げると、仮面を被った男がいた。


 首があることにも驚いたけれど、両手に大きな鎌を持っていて、この人がみんなの首を刎ねたのだと、私はすぐに理解した。


「ここから出たいのだったら、悔恨の光を浴びることだね。君の罪を洗い流し、輪廻の輪へと還してくれることだろう」


 私の罪……?

 私は罪なんて犯したことはない。みんなと一緒にここで幸せに暮らしているだけ。 

 でも私はふと思った。


 私は昔のことをよく覚えていないから、もしかすると、何か罪を犯していたのかもしれないと。

 そうだ、みんなに聞いてみよう。みんなならきっと真実を言ってくれる。

 

「まぁ管理人するのに飽きたらまたおいで。もっとも、君を縛り付ける鎖を断ち切らない限り、君はここから出られないけどね」


 そう言い残し、仮面を被った男は消えていった。

 何だったのだろうか。あいつのこともみんなに聞いてみようと思い、私は家まで駆けていった。


「僕らは知らないよ」


 家に帰ってまず言われた言葉だ。もっと私のことを心配していると思っていたのに、おかえりなさいすらなかった。

 すぐに尋ねて回ったからってひどいと思う。

 私は思わず首にしてあげた林檎をむしりとっていた。


「返してよ! それがないと話せないんだ!」


 あら、なら今話しているのは誰かしら。

 私はそう思ったけれど、思い直し、口だけはつけてあげようと思って、林檎を切れるものを探す。

 キッチンに行ったけれど、包丁はなかった。

 でも他のものに心当たりがあり、私は庭に出て、草刈り用の錆びた鎌を手に取った。

 そして、林檎を真っ二つにする。

 綺麗に割れなかったけれど、ギザギザしている方が口っぽくていい。

 それを返してあげると、これで話せるようになったと、その子は大はしゃぎし始める。

 でもあまりはしゃぎ回るものだから、すぐに口にしてあげた林檎を落としていて、仕方ないから鎌でとめてあげた。


 やっぱりみんなといると楽しい。飽きがこない。永遠にここで暮らしていられる。

 その時はそう思っていたけれど、しばらく経つと唐突に飽きが私のもとを訪れた。


「面白いこと言ってくれない?」


 私はそう言う。でも誰も反応を返してはくれない。当然だろう。今まで喋っていたのは全部私なのだから。


「いらない……いらない、いらない」


 私は物言わぬ人形達を一つ一つ家から引っ張り出し、放り捨てた。

 今度は首があるのを家族にしよう。そうしたらきっと、面白いことを沢山話してくれる。

 そういえば、こいつらの首はどこへ置いたっけ。あの鎌で切り落としたあと、そうだ、庭に埋めたのだ。

 で、大きな木が生えてくるよう毎日のように水をあげていたら、林檎の木が生えてきて、その時私はふと気になった。根本が今どうなっているのか。

 

 私は納屋に置いてある大きなシャベルを手に取って、掘りに向かう。

 根本に突き立て、ざくざく掘り進めてみたけれど、首がなく、私は疑問に思う。

 どこへいってしまったのだろうと。


 面白くない。そう思って、スライスするように私がシャベルを木に叩きつけた瞬間、


「ぎゃあああああああ!!」


 甲高い悲鳴が上がって、私はびっくりした。

 目を白黒させながら木を眺めていると、浅く傷ついたところから赤い樹液がにじみだし、私の目は一瞬でその綺麗な赤色に奪われた。


 気付くと私は指ですくいとり、唇に塗っていた。


「綺麗?」


 尋ねかけたけれど林檎の木は何も言ってはくれず、私はもう一度シャベルを叩きつけてやった。


 また、甲高い悲鳴が上がる。

 思わず口角が吊り上がる。

 身を高揚感が包み込んでいたが、新しく見つけた遊びに興じる前に、私にはやるべきことがあり、ひとまず家に戻った。


 鏡で口元を確認すると、本当に綺麗な赤色をしていた。良い口紅を見つけた。

 そうだ、この目や髪も、それに服だって、真っ赤に染め上げてしまおう。


 そう思うや否や、私は鎌を取りに向かい、林檎の木に何度も突き立てていた。

 悲鳴を上げてくれるのはいいけれど、今はあなたと遊びたい気分じゃないの。

 でも黙れと言ったって聞きやしない。私は言うことを聞かない子は嫌い。


 私は切り倒そうと思って納屋にノコギリを取りにいき、幹に刃をあてて引き始める。

 ぎこぎこ引くたび悲鳴が上がって煩くてかなわない。

 それに、半分も切らぬうちに私の体力が底をつき、結局切り倒すことができなかった。

 でも赤い樹液は沢山だすことができた。私は鍋を取りに向かい、中身を全部放り捨てて、赤い樹液で鍋を満たした。

 

 私は脱いだ服を浸して真っ赤に染め上げ、続けて髪や顔も浸す。

 しまった――――私は染色液から顔を上げる。

 

 顔まで赤くするつもりはない。赤い顔の人間になどなりたくはない。

 でも、多分もう全部赤く染まってしまっている……。


 早く洗い流さないとと思って、私はすぐそこにある井戸まで駆けていき、つるべを引いて水を汲み上げた。そして、目を瞑って顔だけを洗い流した。

 

 これで目だけに赤が残るはず。家の鏡で確認すると、ばっちりだった。

 でも下着の色が気になり、私は脱いで鍋に浸しにいった。

 

 乾くまでの間が待ち遠しい。濡れたものを乾かすのには時間が掛かる。火があったら早いのにと私は大きな溜息をこぼす。

 

 この家には火を点けられるものが何もない。だから私は、染め上げた服や下着を部屋に吊るし、ベッドで不貞寝した。


 起きると朝で、服はまだだったが下着は乾いており、身に着け、下に降りていく。

 誰もおはようとは言ってはくれない。早く次のを掘り起こしてこないと。


 自分で這い出てきてくれたら楽なのに。そもそもどうしてお墓の下に埋まっているの。

 あ、そうだった、私が全員埋めたのだった。動き回って邪魔だったから。


 それに私の言うことなんてちっとも聞かないし、私に襲い掛かってくる悪い子も沢山いた。

 私の味方になってくれたのはあの丸々太った人だけで、だから父になってもらったのだった。

 あの人だけは戻してあげよう。そう思って玄関の扉を開けると、薄っすらと煙だけが残り、みんないなくなっていた。日の光に焼かれたのだろうか。


「……まあいいわ」


 前の父は好みの顔をしていなかったし、次は顔で決めることにしよう。

 そうだ、ボーイフレンドになって貰うのもいい。

 そうしたらきっと素敵な時間を過ごせるようになる。どうして今まで思い付かなかったのだろう。

 

 ああ、思い付いてはいた。でもデートの場所をいつも同じ場所にするから、別れたのだった。


 私は部屋でぼんやりと過ごしながら、服が乾くのを待つ。日が沈んだ頃、やっと服が乾いて、私はすぐに着込むとシャンデリアの下を踊り回った。


 まるで舞踏会にでもいる気分。でもひとしきり踊ると私は部屋に戻った。

 ちょっとだけイラついているのだ。手頃な大きさの投げられるものを探していると、机の隅に手帳が隠されてあり、私は引っ張り出してぱらと表紙をめくった。


『これがあのシリアルキラーに先に見つからないことを私は祈る。儚げな見た目に惑わされないで欲しい。中身は悪魔だ。君も我々と同じように悪魔と恐れられてきた人間だとは思うが、上には上がいることを私はここにきて思い知ったよ。君の健闘を祈る』


 そう、勝手に祈ってれば。

 私はそう思いながら、部屋を出るや手帳をシャンデリアの上で灯るロウソク目掛け、投げつけた。

 当たったロウソクが床に敷かれたカーペットの上に落ちて、火を広げ始める。

 私はその火に、赤を広げる美しい火に思わず見惚れた。


 でもこのまま見惚れていると、せっかく真っ赤に染め上げた服が黒焦げになってしまう。


 私は家を出て、外から眺め始めた。

 ぱちぱち音を立てながら、家が真っ赤に染まっていき、なんて綺麗で明るいのだろうと私は思わず笑みをこぼす。

 

 森に広げたら、もっと明るくなるだろうか。私は試してみようと思い、枝を折ると家から火を貰い、森に入って手あたりしだいに点けまわった。

 

 火が森に広がっていく。

 その光景はとても綺麗で、私は真昼のように明るくなった一本道でスキップして、鼻歌をうたい始める。

 とても気分が良かった。多分先まで行くと、あいつが出てくる。そうしたら言う言葉がある。

 案の定、一本道の先で仮面を被った男が待っていて、私は一言こう言った。


「飽きたわ」


 仮面を被った男は、その言葉を聞いて肩を竦めていた。


「驚いたね。君を縛り付ける世界を丸ごと焼き尽くすとは。不死身の肉体を切り離して木に植えこんだのにも相当驚かされたけどね。そんなことやったのは君が初さ」

「私は下に植えただけ」

「ああ、ならエカテリーナがやったんだろうね。ところで今の君は?」

「マナ」

「新入りちゃんは僕が冗談でつけた呼び名から名をとったんだねぇ」


 こいつの言っていることはまったく分からない。

 

「私は私。カタリナでもカトリーヌでもない」

「誰が誰なのか分からないのも君の魅力だとは思うけどね。こっちは混乱しっぱなしさ。じゃあいこうか。救いようのない魂よ」

 

 ああ、やっと思い出した。こいつはここに私を連れてきた死神だ。

 仮面を剥ぎ取る日が楽しみだ。もし顔が良かったら、ボーイフレンドしてやってもいい。

 私はそんなことを考えながら、彼が伸ばしてきた手をとり、一緒に闇の向こうへと歩いていった。

 

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