名古屋に居を構える樹神探偵事務所に舞い込む依頼は、人知の及ばない怪異現象です。主人公は異能を持つ探偵助手の服部くんで、同じく異能の探偵、樹神先生や調香師の百香さんと共に、難事件を解決していきます。
本作の特徴はなんと言っても、名古屋を舞台にしたご当地性と、毎回、エピソードごとに用意された名古屋グルメでしょう。また、怪異を扱っているとはいえ、ロジックに基づいて事件の謎を紐解いていく、れっきとした探偵小説でもあります。深い知見の元で語られる歴史や蘊蓄には、嘆息がもれます(個人的には#2が凄いと思いました)。
また、作中に出てくるキャラクター、カイコさんの秘密も面白いです。ここでは言えないので、ぜひその目で確かめて頂きたいです。
色鮮やかで息を飲む情景描写、深く掘り下げられたキャラクター、センスの光るタイトルやネーミング。全てがハイレベルで、ハイクオリティ。読まない手はないと思います!
本作は、闇を抱えた他人の感情を受信する特異体質を持つ主人公が、怪異事件を追い、事件を解決していく物語『共感応トワイライト(https://kakuyomu.jp/works/16816700427539742721)』の続編です!
続編ではあるのですが、登場人物固定の中編(現時点で4編確定)を読む形式なので、前作を読まずに今作からでも楽しく読めます。
本作が気に入ったら、前作も読む……と言うのも、個人的には全く問題ないと思います。
『市松人形』や『合わせ鏡』など、馴染みのある怪談をベースに作者様独自の物語が展開します。
名古屋を舞台にしているだけあって、その土地ならではの話し方や食べ物の情報に触れられるのも、このシリーズの魅力の一つ!
怪異モノエンタメがお好きな方におススメ☆
『共感応トワイライト』に続き、樹神探偵事務所が名古屋の怪異を解決します!
今回はいつものメンバーに加えて、骨董店の不思議な店主・「カイコさん」が登場。
そこに存在するだけで不思議な、骨董店と女主人。果たしてその実態は……?
次々に持ち込まれる、様々な「モノ」にまつわる怪異の謎。
「モノ」に取りついた何かを探るべく、おなじみの探偵「樹神先生」と助手の「服部くん」、調香師の「百花さん」がプロの手さばきでお仕事します。
「カイコさん」の一風変わった活躍ぶりも見どころのひとつ。
もちろん、名古屋のグルメレポートも欠かしません(笑)
人とモノと、妖と食べ物と。
たくさんの魅力が詰まった探偵事務所と骨董店へ、ぜひ一度お越しくださいませ!