黒き鏡とはそういう意味だったんですね
そうですね、人は見たいものしか見ない
演技の上手さに観客は兎や狸や婆を見たい、見たと思い舞台上に光景を作り出すのだと
そのシーンを想像して鳥肌モノでした
すごい力作です
芸術にかける2人の静かな気迫もひしひし感じました
作者からの返信
黒き鏡って何だろう、という疑問と、「玉兎」という演目の演じ方を見て、この両者を結び付けられるんじゃないか、と思い至ったのです。
ひとりで兎、狸、婆、爺をやるとなると、そういう風にするのが正解じゃないか、と。
で、これを理解するのにうってつけの客は、酒井抱一しかいないな、と^^;
……そして抱一さんにも火がついて、幕とさせていただきました。
コメント付きレビュー、ありがとうございます。
言われてみて、そういえばこのお話、謎解きミステリーでもあるんだなぁ、と思いました^^;
そして「ザ・江戸!」という雰囲気を心がけましたので、「粋な作品」と言われて、とっても嬉しいです!
ありがとうございました!
抱一さんではないですが。
わたくしもこちらの作品を読み終わって、描きたい(詠みたい)と思うほどに……との感想はおこがましいですかね。 (^_^;)
抱一さんとの掛け合いがとても面白かったです♪
(別作品にも出ていらした方ですよね!強く印象に残っていて、また出会えた!と心の中で飛び跳ねてしまい、懐かしささえ覚えました。)
作者からの返信
お星さま、ありがとうございます。
何というか、芸術家というか、表現者というか、そういう人たちって、おのれの絵筆なり歌舞伎なりに命をかけるほどのめり込んでいて、それでいてそれを楽しんでいて……頭を使って考えて、感じて、それを表して……そういう、火花の散るような世界を描いてみたかったのです。
ですので、それを見て、描きたい(詠みたい)と思っていただいて、「やったぜ」という気分です!
そして実は、私としては、こちらで初めて抱一さんを出したのです。
それに味を占めて(笑)、「風神雷神図屏風」の話を書いたのです^^;
はい、お察しの通り、私もすきです、抱一さん(笑)
抱一さんのことを気に入っていただいて、何よりです♪
ありがとうございました!
拝読致しました。
兎の格好というから着ぐるみでも着るのかと思ったら(^◇^;)、鉢巻きの両端を上向きにして耳に見立てているだけ。
それくらいの象徴を体現しているだけなので、兎と思わせてから、別の存在に虚像を移すことが可能だったのかも知れないですね。
象徴的な事物を媒介にして望むものを想起させる、すごい芸です。これこそが黒き鏡、見たいものを見せるという鏡の正体なのでしょうか。
その大一番を演る人、見た人。その友人同士がそぞろ歩き、「この辺で結構」「そうかい」これだけが別離の言葉。
この別れの言葉がすごかったと思います。ほとんど湿度のない、カラリとした江戸前の気風の良さと言いましょうか。いい関係ですよね。
そして最後の言葉、画を描きたい。
御隠居は、黒き鏡の中に何を見たのか?最後の画がきになりますね!
面白かったです、ありがとうございました。
作者からの返信
お星さま、ありがとうございます。
これwikipediaに、そういう格好したという浮世絵が載っているんです。
そこから思いつきました。
実際は早着替えとかしているかもしれませんが、今回は同題異話のお題がお題なんで、そこは演じる人の演技力と、見る人の「見たい」で勝負、と^^;
そういえば能楽の能面も、見せる角度で、表現したい表情を演出する、と聞いたことがありましたし。
まあ、二代目も、そう細々と解説するんじゃなくて、自分の頭で考えた方が「それ」ができると踏んで、「黒き鏡」という表現を敢えて使ったんじゃないでしょうか^^;
今回、その「黒き鏡」を解説できる人間として、誰かいないかな、と思っていたら、酒井抱一という画家に出会いました。
大名家に生まれて画家になるという自由人ですが、だから、ああいうカラッとした別れをする人になってしまったと思います(笑)
果たして何の画を描きたくなったのか……おそらく、私淑する尾形光琳に対抗するような画かもしれません^^;
こちらこそ、ありがとうございました!
さすがです。もう演目を見ている気分でした。そこからの最後の一文、グッと胸にきました。天才です。もう、心が鷲掴みです!本当に素晴らしい作品、読ませていただきありがとうございました!
作者からの返信
コメント付きレビュー、ありがとうございます。
そういえば歌舞伎って、お着物着て行くお芝居でしたね^^;
観る者も、真剣。
そういうお芝居だからこそ、役者は気合いを入れて演じ抜く、といったところでしょうか^^;
そしてお芝居って、演じるって、その場にいないモノを「いる」として、そのモノに「なる」ってことなのかな……と思いまして、同題異話のお題の「黒き鏡」への答えとさせていただきました。
そのあたりの空気を書ければなぁと思って書いて、和響さんのレビュー、そしてコメントを拝見すると、「書けたなぁ」と感じました!
最後の一文、歌舞伎を観た人が、自分も「何かやりたいなぁ」とか「頑張ろう」とか思っちゃう、あの気持ちを込めて書きました。
グッと来ていただいて、ありがとうございます^^;
それでは、こちらこそ、ありがとうございました!
完結、お疲れさまでした!
見事に演じ切りましたね。難題を裸一貫に近い出立ちで演じてゆく姿に惚れ惚れしましたが、それを想像させる筆力でもって読み手を引き込む技もお見事でした☆
とても面白かったです★★★
作者からの返信
お星さま、ありがとうございます。
坂東三津五郎は、張り子のお碗を瀬戸物のお碗と「見せる」のに腐心したというエピソードの持ち主と知り、このネタを思いつきました。
きっと演技の方も、そうやって「見せる」のに、体当たりで挑んでいったんだろうなぁ、と^^;
おかげさまで、私も、そういう三津五郎の演技を、読者さまに「見せる」ことが出来ているみたいで、ほっと胸をなでおろしております(笑)
ありがとうございました。
人は見たいものを見る。
まさに、おっしゃる通りだな
と、思いました。
書き手も同じですね。
新聞記事なんかを読んでいて思うのですが
記者の意図やらなんやらが見え隠れしている。
出されたお題を三津五郎が
どのように演じるのか。
興味がありましたが
やはり名優ですね〜
天晴れ!でした(^^)
作者からの返信
お星さま、ありがとうございます。
舞台上の俳優は、「見たいものを見る」人の心理に乗っかって、演技をしているんじゃないかなぁ、という私の想像です^^;
演技とかしたことないから、ホントに分かりません(笑)
新聞に限らず、小説とか、チラシとか、みんな書いている人の思っていることが反映されてますよね^^;
それはもう、そういうものだと思って、読んでいくしかないと思います。
坂東三津五郎はホントにウサギの格好のまんまで、じっさま、ばっさま、タヌキを演じたみたいです。
張り子の碗を瀬戸物の碗と見せる演技をしていた名優ですから、そこはもう、みんな引き込まれたんじゃないでしょうか(笑)
ありがとうございました♪
流麗な文章で、さすがですよね。ぜったいに私には書けそうにありません。
三津五郎の名優ぶりが目に見えるようでした。うさぎのまま、翁などを演じて、そう見えてくる、素晴らしいですね。
作者からの返信
お星さま、ありがとうございます。
私もアメさんのようなミステリックな話は書けそうにありません^^;
三津五郎さんは、張り子の碗を瀬戸物と思わせるような、そんな芝居を目指していたので、兎の格好のまま、おじいさんやおばあさんになるのは、やれると思います。
その芝居の切れ味を少しでも表現できれば、と思って書きました^^;
ありがとうございました。
今だと撮り直しできるし動画の加工もできるので、真剣勝負で演じることは少ないように思えます。
でも昔は人前で演じる一発勝負!
物語を読んでいくうちに文章から好奇心が刺激されて、舞台ではどんなふうに演じているんだろうと興味がわきました。
ネット動画ばかり見ているので、いつかは舞台で迫真の演技を見てみたいと思います。すてきな作品をありがとうございました!
作者からの返信
お星さま、ありがとうございます。
テレビや映画だと、たしかに編集や撮り直しができますからね。
一方で舞台だと、もう「見られて」いるから、それは緊張感マシマシなんでしょうね^^;
だからこそ、坂東三津五郎のような名優が生まれ育って行ったのでしょう。
ちなみに私も歌舞伎を全く知らなかったのですが、今作を書くために調べていて、興味が芽生えました(笑)
こういうご時世だと、観る機会がさらに少なくなっていると思いますが、やっぱり歌舞伎とか、観てみたいものです。
能とか狂言も面白そうですし。
こちらこそ、ありがとうございました!
こんばんは、御作を読みました。
とてつもなくドライで、でも説得力のある解釈に、唸らされました。
秘すれば花と、先達の世阿弥さんも残していますが、〝全部見せてしまえば解釈の余地がなくなる〟から……。
悩ましいですね。ホント。面白かったです。
作者からの返信
この時代の歌舞伎だと早着替えとかあまり出来なさそうなんで、やっぱり最初の「役」の格好のまま、次の「役」もやるしかないみたいなんですよ。
そうすると、必然的に、演ずる役者が何とかするしかないという……^^;
世阿弥さんの言うことも合っていると思いますけど、歌舞伎役者は見せて見得を切るのが商売ですからね……難しいところです^^;
ありがとうございました。
編集済
いよっ、大和屋~!!👏
思わず声を掛けたくなりました。
ピタッとみごとに決まりましたね、坂東三津五郎の玉兎。
演者、観客各々の心象風景を黒い鏡に見立てるとはさすが四谷軒さん。
不動の名作『きょうを読む人』を生んだカクヨムのホープと感服です。
作者からの返信
大和屋、その屋号も出したかったんですけど、字数が^^;
坂東三津五郎、芸にこだわり、張り子の瀬戸物の碗を、本物の瀬戸物の碗に思わせることにもこだわっていたという名優。
その玉兎の凄さの一端でも表現できればと思って書きました。
黒い鏡って、ホントは新月の比喩だと思うんですけれど、まあそこはお芝居の比喩としても使わせていただきました^^;
お褒めの言葉、ありがとうございます。恐縮です。
ありがとうございました!
>黒き鏡……それは何も映らない
そうですよねぇ。鏡面が反射しなければ、黒く見えちゃうのかもしれないですよね。
演劇でも絵画でも音楽でも、突き詰めた先は難しいですねぇ。
作者からの返信
お星様、ありがとうございます。
黒い鏡……何も映らなければ、黒いまんまですからね。
そこに何を見るのか、何を見せるのか。
芸事に生きる者なら、そこが腕の見せどころなんでしょうけど、やっぱり難しいと思います^^;
ありがとうございました。