句読点

結騎 了

#365日ショートショート 243

 どうして句読点が大切なのか改めて考えてみると文章や文字あるいはテキストというものは読み手が自由なスピードやペースでそれを脳内に流し込んでいくことで成立するわけだが筆者がそのペースを自身の意図や都合に寄せたいもしくは操作したいからこそ句読点が挟まれると考えられるためつまりペース配分の指定が本懐だと思われるからして句読点なく読まされる文章はともすれば休憩や給水の無いフルマラソンに予告なく参加させられるような息苦しさを覚える上にゴールがどこにあるのか予測がつかないという不安に襲われるのである。かと、いって、仮に。句読点が、頻発する場合。それは。まるで、不安定な竹馬。一歩、一歩、倒れ込む、進み方を、するようなものであり、これも、また、別の不安を、読み手に、与える、わけである。筆者の意図と受け手の解釈。さながら楽譜。極端な例の後に普通の句読点がくると、なぜこうも読みやすいのだろう。それは、読み手がまんまと配置された緩急に乗せられているからだ。あなたの脳内に流し込まれるのは、本当は文字ではない。筆者の意図である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

句読点 結騎 了 @slinky_dog_s11

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ