マッチングアプリで、“女のフリして俺にお金を要求するな!”
神石水亞宮類
第1話 マッチングアプリで、“女のフリして俺にお金を要求するな!”
俺は、“偽の女からお金を要求されて素直に渡してしまう。”
俺は心から彼女を愛していたというのに......。
まさか!? 相手の女性が実は、、、?
“中年のオッサンなんて想像もしてなかった!?”
男心をくすぐるような言葉で俺の心を鷲掴みした。
最初に彼女から俺へプロフィールが送られてきて、甘い言葉で
俺の心を揺さぶる。
『もし良かったら? 友達からでいいのでお互いの何気ない事を
言い合える仲になれたらいいな。』
『勿論! 俺もそうなれたらいいと思うよ!』
『田村さんは、どんな事が好きですか? 趣味とかありますか?』
『趣味は一人でドライブするのが好きかな。』
『いいですね、今度私も一緒に連れててほしいな。』
『セイラちゃんがいいなら、今度! ドライブに行こうよ!』
『・・・でも? 私、車酔いするからな~田村さんに迷惑かけそう。』
『その、田村さんって言い方やめようか? 祥でいいよ。』
『じゃあ、“祥さん”』
『・・・祥さん? 祥くんか、祥でいいよ。』
『それじゃ、祥くんで!』
『なんか? そういう風に若い女の子に言われるの慣れてないから嬉しいよ!』
『また~祥くんは物凄くモテるんでしょ!』
『モテない! モテないよ!』
『じゃあ、私が祥くんを独占できるね。』
『・・・そ、そうだね。』
『祥くん、私にそう言われて嬉しい?』
『勿論だよ。』
この時の彼女とのやり取りが凄く俺は楽しかった。
俺は久しぶりにトキメイた。
彼女いない歴10年! 随分と長い間好きな子もいなかった。
この彼女を逃したら? 俺は一生! 独身かもしれない!
彼女を逃すまいと俺は彼女が好きなモノは俺も好きになるように努力した。
そんな俺を彼女は少しは好きになってくれたかな?
『なあ、一度でいいから? 俺と会ってくれないかな?』
『どうしたのよ、祥くん! 今は仕事が忙しいから今度ねってつい最近
話したばかりじゃない!』
『勿論! 今じゃなくていいから俺と会ってほしいんだ!』
『分かったわ、祥くんがそこまで言うなら会いましょう。』
『本当にいいのか? 今度こそ、嘘じゃないよね?』
『その代りといっては何なんだけど? 母が病気でお金が足りないの
申し訳ないんだけど、祥くんしか頼れる人がいないのよ。』
『えぇ!? また? この前もお父さんが入院してお金を貸してほしいって
言って貸したばかりだろう。』
『何度も悪いと思ってるのよ、でも祥くんしかこんな事話せないし。』
『分かったよ、幾らぐらい要るの?』
『300万円ぐらいかな?』
『えぇ!? 200万円貸したばかりで、次は300万円も、、、!?』
『そうだよね、無理だよね。他の男性に頼んでみようかな?』
『い、いや? 大丈夫だよ! 明日までには、お金を振り込んでおくよ。』
『ありがとう~セイラ嬉しい!』
『でも約束だからね! 絶対に次こそ、俺と会ってね。』
『うん、分かってるわ! じゃあーまたね。』
『うん!』
*
・・・でも?
俺とセイラちゃんとのやり取りはココで終わった。
俺がその後もしつこくセイラちゃんに何度も会いたいと言ったから?
セイラちゃんと突然! 連絡が取れなくなった。
俺はてっきりセイラちゃんに嫌われてしまったモノだと思い込んでいたが。
まさかの展開に、、、!?
テレビのニュースでマッチングアプリ詐欺で中年の男が女のフリをして
若い男性からお金を自分の銀行に振り込ませていたと言う内容のモノが
俺の目に飛び込んでくる。
しかも? そこに流れていたのは、俺とやり取りをしていた架空のセイラ
という女性とのLINE。
殆どの内容はモザイクがかかって見えないようになっていたが......。
完全に俺がセイラちゃんに向けて書いた内容がしっかり映っていた。
俺はショックでその日寝込んでしまう。
俺は若くて可愛いと思っていたセイラちゃんは......。
実は中年のオッサンだった。
そんなオッサンと俺はずっとやり取りをしてときめいていたなんて!?
テレビに映っていたオッサンはグラサンをかけて小太りの完全なる
“60過ぎの中年オヤジ”だった。
俺はこのオッサンに500万円も振り込んだと知ってショックでしかない!
男心をくすぐるような可愛らしい内容も全部このオッサンだったのかと
思うと急に腹も立ってきた!
【なんで! 俺はこんなオッサンにときめいたんだよ! ホントムカつく!】
マッチングアプリで、“女のフリして俺にお金を要求するな!” 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru
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