第6話

気がつくと、僕は自分の部屋にいた。スマホを確認するとループが始まった後のリスタート地点と同じ時間だ。

明日海に連絡を取ろうとすると、向こうから先に着信があった。


「私たち……戻ってこれたんだね」


明日海の子を聞いて安心する自分がいた。少なくともあの部屋で起きたことは夢でお厳格でもなく、あそこから抜け出せたことは事実であることは間違いないからだ。


「でも、お兄さん。私たちがやったことはなかったことにはなってないよね?」


◆◆◆


あれからしばらくたったものの、あのループやあの部屋が何だったのかはいまだに分からないままだ。


僕の明日海も同じ経験はしていないし、人に相談できる内容でもなかった。画像や動画があれば証拠になるかもと考えたけれど、ループした時点で消える可能性が高い。


『限りなく夢や幻覚の近い何か』としか表現のしようがなく、僕も明日海も元の日常に戻った。


それでも変わったことはる。僕と明日海が付き合いだしたことだ。あれが原因というのも変な話な気がするけど、そういうことになった。


付き合っていることを隠すつもりはないけれど、積極的に話す気もない。そんな感じだったけれど親にはすぐバレた。母親同士の横のつながりがあるんだから当然だけれど、バレた時は恥ずかしかった。


「お兄さん、どうかなこれ? 制服はずっとブレザーだったから、セーラー服を1回着てみたかったんだよね」


明日海は僕の部屋でセーラー服を着ている。コスプレというものに興味を持った影響と、僕に着た姿を見せたいという思いもあって、今僕の部屋で惜しげもなくセーラー服姿を披露している。


「ほら、こっちに着て。お兄さん」


そしてあの時のようにベッドの上で正座し、僕を膝枕を誘うけど僕の部屋のベッドである点があの時とは違う。


「耳かき? 耳にふっ~でする? 大好きって囁くのもいいね。お兄さんがしてほしいことを教えて」


僕は誘われるようにベッドの上の明日海の膝に頭を乗せた。

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イチャイチャしないと出れない部屋 ~ループ機能付き~ 白黒セット @jouan

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