後悔

音雪香林(旧名:雪の香り。)

第1話 いじめっこの後悔

後悔していることがある

昔、とても可愛い子がいた

私はその子をしつこくからかった

執拗に身体を触った


その子は「やめてよ」といったが

笑いながらだったので本気に取らなかった


けれど、もしかしたら周囲の空気を悪くしないために笑っていたのではないか

本気で嫌だったのにその場を乱したくないがために抵抗できなかったのではないか


今は振り返ってそう思う

私はあの子を可愛いと感じていた

けれどそれは人間に対する感情としては間違っていたのかもしれない


尊厳を無視したふるまいだったのかもしれない

いや「かもしれない」のではなく

実際そうだったのだろう


悪いことをした

もう嫌がることなど二度としない

したくない


だから会いたい、と心はあの子を求めるが

嫌がることをしないと誓うなら

もう二度と会えないことを覚悟するべきなのだろう


ああ、私は何て馬鹿な人間だったのだろう

後悔しても

もう遅いのだ



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後悔 音雪香林(旧名:雪の香り。) @yukinokaori

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