一章の登場人物とあらすじ


○オウリ 二十歳

 サイカ族出身の若手商人

 仕事でシージャ族の町パジに行き、

 胸騒ぎに導かれカナシャと出会う


○カナシャ 十三歳

 シージャ族。クチサキ(巫女)の力を持つ


●サイカ

アヤル商会の人々

 ○アラキ 頼れるおじさん

 ○タウタ 誠実な男 妻子持ち

 ○キサナ モテないチャラ男 格好つけ


イタン村、オウリの家族

 ○イップ 父 茶畑経営

 ○トゥーイ 母 

 ○タイガ 長兄 オウリに対してキツい

 ○リガン 次兄 無口で職人気質


●シージャ

パジ カフラン商会の人々

 ○カフラン 優男で曲者な商会主

 ○シン 路上でしゃがむ癖がある若者


カナシャの家族

 ○テイネ 父 医者

 ○リーファ 母

 ○タイアル 弟


カナシャの友人

 ○フクラ 刺繍が得意な姉貴分

 ○サヤ 可愛い

 ○ライリ 家具屋の息子 拳骨くらいがち




◆ ◆ ◆


 『太陽の根』の名を持つ島、ハリラム。

 緑濃い島で人々は、海辺から高原の森にまで細々と、だが力強く暮らしている。

 高原の部族サイカ出身のオウリは、海辺の町パジに商いに出掛けた。そして不思議な胸騒ぎにより、おてんばな少女カナシャと出会う。カナシャはクチサキと呼ばれる力を使う巫女だった。

 これまで恋など知らなかった二人が強烈に惹かれ合うのは『ホダシ』と呼ばれる相手だかららしい。片時も離れたくないとすら思ってしまう二人だった。

 だが自分は子ども過ぎて大人のオウリに釣り合わないと不安に泣くカナシャ。それに対し、まだ親元にいるべき年齢のカナシャと離れずに済ますためパジへの移住を決めるオウリ。

 パジでのオウリの仕事先となったカフランは、オウリの実家の家業、茶作りで一儲けを画策していた。

 冷ややかな性分で田舎の村に馴染めなかったオウリだが、仕事のため、そしてパジへ移った理由を報告しにイタン村へと赴く。兄との確執もありつつ故郷に別れを告げ、カナシャの元に戻るオウリ。

 二人は離れていても時々互いの気配を感じ合うことがあった。特にカナシャはクチサキとしての力からか、オウリをくっきりと心に捉え始める。オウリはその異能に戸惑いながらも、ますますカナシャに惹かれていった。

 まだ幼さの残るカナシャに触れたくなる衝動を抑えながら、オウリは新しい土地でゆっくりカナシャと寄りそっていくことを決めるのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る