[変更済]MISSION 19 :正面から行くよ。それしかできないから
私、大鳥ホノカは、インペリアルの名前も知らない勇気のある人の特攻のおかげで、クソ戦法引きこもりガチタンな敵の
<オルトリンデ>
『あと数秒はヤツのシールドは無いはずや!!
ぶっ放せるだけぶっ放すんや!!』
目標は、ヤツじゃ無い。
奴の背後の、巨大自立兵器の動力源。
網膜に映る機体カメラの映像の、両腕装備のライフルをおおよその位置の予測線に合わせてぶっ放す!!
私の機体、アルゲンタヴィスの右腕の新しいスナイパーライフルが、左腕のバトルライフルというやつが火を噴く。
正確には、75mmとか言う大きさの弾丸だけどね!!
<コトリ>
《ライフルだけじゃダメだ!
強化されてんだから、背中のも一緒に撃て!!》
そう言えばそっか!!
神経接続を利用して撃ってるわけだから、トリガー二つだけの真人間と違って背中のも撃てるんだった。
すぐに教えてくれてありがとう
ならばと背中のロケットもしこたま撃つ!!
<エーネ>
『当たって!!』
同時に仲間のエーネちゃんの機体キュアフル・ウィッシュの両腕に握られたマシンガンからも、ひたすら弾丸がばら撒かれていく。
<キリィ>
『ワシの
<オルトリンデ>
『お前こう言うとき使えんなぁ、黒いの!!
ウチができる女なの教えたるわぁ!!』
先輩
<インペリアル部隊長>
『テレサの仇だ!!全弾撃ち尽くせ!!』
『『『うぉぁあああああああああっっ!!』』』
仲間の特攻。それだけでここまで撃ちまくる理由にはなる。
インペリアルの正規兵さん達がガンガンに武器を撃ちまくる。
<スノウウィンド>
『スキャン結果更新。内部破壊、出来てます!!
破壊率、43%!誘爆も来ています!』
戦闘に参加はしないけど、中を調べてくれるオペレート専門の機体を操る『フェアリー』のスノウウィンドさんがいい報告をしてくれる。
下手な鉄砲数撃ちゃ当たるって言うんだっけ?
目標はガチタン自立兵器の陣取る狭い入り口の奥!
アイツに阻まれてもいい。
アイツの後ろを守るEシールドが再展開する前に!
ぶっ壊せ!!!
だけど、反撃も来る!
相手はガチタン、ガッチガチに重装甲で重装備なタンク型。
その武器の
「私かぁ!!」
エネルギーが減る。
ぶっ放すために今空飛んでるから、この機体も飛べなくは無いけどちょっと不安!!
「せめてエネルギーが無くなるまで、わっ!?」
だけどコイツ、執拗に私狙いか!!
ヤケクソみたいに積んだグレネード発射する大砲からグレネードをボンボン飛ばしてくる。
当たったら、コアパーツ変えて軽くしたばっかりだし割れちゃうんじゃないの!?
<コトリ>
《エネルギー、残り30%!!》
うわ、マジで!?
多分後、3回しか避けられないし相手は三発以上ぶっ放しそう!!
どうするコレ!?
<キリィ>
『それでええんじゃ新人!!
こっからワシゃ
瞬間、私が避けたグレネードが過ぎ去るのと同時に、
射撃をやめた静寂の中、ブラックインパルスがいよいよタンク型自立兵器と交差する。
<キリィ>
『だしゃ──────ッ!!!』
右腕にある『
<キリィ>
『この距離ならEシールドなんぞ関係ないじゃけぇのぉ!?お礼の品は散バズじゃあ!!
インペリアルの奢りじゃけぇ、しこたまくらえぃ!!』
左腕のバズーカを、拡散する弾を奥へぶっ放すブラックインパルス。
相手が旋回してグレネードを撃とうとすると、細身な機体で素早く中の破壊目標を盾にする位置に陣取る。
<コトリ>
《軽量2脚、とっつきに散バズ……なるほど、タンクキラーの張り付き近接戦法の使い手!!》
コトリちゃんの解説、心なしか嬉しそうじゃね?
いや、コレならいける!!
見て分かるぐらい内部が爆発しまくってる!!
<オルトリンデ>
『行けぇ、キリィ!!広島の女の意地ぃ見せんかい!!』
<キリィ>
『オルトリンデぇ!!よぉ見とけじゃあ、ワシの─』
ガキャァァン!!
────ブラックインパルスが、轢かれた。
<コトリ>
《タンクの
あのタンク脚、あんな狭い場所でストライクブーストを起動して、ブラックインパルスを壁に叩きつけるように轢いた!?
<キリィ>
『ごっ……!?』
あの距離ならEシールドは関係ない。
キリィさんが言ったんだ……てことはキリィさんの機体もそうなんだ。
だから、轢かれたら、明らかに細いキリィさんの機体はぐちゃぐちゃに……!
<オルトリンデ>
『ようやったわキリィ────ッ!!!』
瞬間、オルトリンデさんのスカイヴァルキュリアがストライクブーストで近づいて、相手を真横から思いっきり
<オルトリンデ>
『地獄行きかキリィ!?
死んでんなら返事せぇや!!』
ギャリギャリと履帯を鳴らして、タンク型が真横へと少しだけ押し込まれる。
軽めの機体って言ってたし、そこまでダメージじゃないんだ……!
<キリィ>
『…………よう来た、大阪女……!
生きてて、残念じゃのぉ……!!』
<オルトリンデ>
『まったくやで?
貸し一つや、なんか奢りぃ』
スカイヴァルキュリアが、キリィさんのブラックインパルスのコア部分を掴む。
タンク脚自立兵器が緩やかに旋回するより早く、スカイヴァルキュリアの周囲に円形に張られているEシールドが光る。
ズガァァァン!!
ブラストアーマー。Eシールドを攻撃に転換して爆発するみたいな感じの武装が起動して、巨大自立兵器の中で炸裂する。
途端、あの巨大で重装甲な自立兵器の外にある砲台や何やらから爆発が起こり始めた。
<スノウウィンド>
『内部破壊率100%!
スカイヴァルキュリアの反応は、』
<オルトリンデ>
『あるに決まっとるやろがい!!!』
爆発する巨大自立兵器の隔壁から、キリィさんの入ったコアパーツを掴んだスカイヴァルキュリアが出てくる。
「やった!!」
<オルトリンデ>
『ああ、任務完了や!!
どーや、コレがネオや!!そしてコレが
カァオッ!!
その時、スカイヴァルキュリアの背後が何かに撃ち抜かれてしまう。
「オルトリンデさん!!」
ズシャァァ!!
幸いなのか、それともオルトリンデさんの操作がすごいのか、切り離された巨大自立兵器後部の隔壁の中に思いっきり不時着する機体。
<オルトリンデ>
『────、ったいわ〜……!
キッツイツッコミやわ……吉本じゃ流石にやらへんやろコレはな……』
<キリィ>
『ったく、また死にかけるとはのう。
油断しすぎじゃ、エセ関西』
無線から、もう聴き慣れた二人の漫才じみた会話が聴こえてくる。
正直さ……会ったばっかりの人だけど、ホッとしたよ今……!
<インペリアル部隊長>
『
油断するな、まだくるぞ!!』
カァオッ!!
すんごい甲高い音と一緒に青白い光弾が、炎上するあの巨大自立兵器先頭部分の隔壁から出てくる。
出てきた……そこからその正体が。
キュラキュラと、履帯の音が聞こえてくる。
もう腕も片方がない、頭もかけたあのタンク型自立兵器が。
そのタンク型自立兵器のコア部分が盛り上がり、腕が、頭がパージされる。
ガバッと開く口みたいな物、伸びる尾見たいな何か。
まるで……キャタピラの上に、怪獣みたいなものが乗っている変な姿。
「嘘でしょ……第2形態的なヤツ……!?」
その怪獣の乗った戦車みたいな自立兵器の口から、カァオッとあの光弾が飛んでくる。
「危ない!!」
回避する。
その瞬間、あの自立兵器が飛ぶ。
思ったより軽快というか、タンク脚のブースター使ってこっちにとんできた!
「何コイツ!?」
アサルトブーストで避けた突撃。
すぐ頭部パーツの真上を、蛇腹に並んだ剃刀の刃みたいなのが蛇腹に連なった尾がむちみたく振り回されてる!
「怖……!!
何コイツ!?」
海の上を全開のブーストでホバー移動しながら、また口を開けて光弾を放ってくる。
<コトリ>
《こんなびっくりドッキリメカが残ってるとはね。
倒すしか無いみたいだ》
「倒せないこともないけど……この……!」
両腕のライフルで応戦。どうも、相手も喰らいたくないみたいで避けていく。
口から吐いてくるカオカオうるさい光弾を避けながら……すると、
「エネルギー、カツカツだ……!!」
アルゲンタヴィスは今空中。
どうしても……エネルギーがそんなに持たない。
<エーネ>
『この!』
と、同じく海面を進むエーネちゃんのキュアフル・ウィッシュが、両腕部のマシンガンを当てて応戦。
だけど、アイツ海面だと思ったより早くて、口から光弾をぶっ放しながら距離を詰められて尻尾の鋭い部分が鞭みたくキュアフル・ウィッシュに!!
<エーネ>
『グッ……!』
なんとか回避したけど、キュアフル・ウィッシュの左腕が持ってかれた!
そのままカオカオうるさい光弾を撃つもんだから、なんとか回避するしか出来ない!
<インペリアル部隊長>
『なんて奴だ!
あれでは戦車というよりフロート脚部だ!
くそ……履帯があるくせに素早い!!』
<レッドセクション2>
『まずい、海の上じゃ不利だ!!
<エーネ>
『ごめんなさい!』
インペリアルの人達の援護で、エーネちゃんはなんとか巨大自立兵器の切り離された後部部分に行く。
さて、じゃあ私たちがあれと戦う番な訳だけど……
「どうしようか……」
<コトリ>
《あれは今は、タンクというよりホバータンク、フロートみたいな物になったね。
軽くなったからブーストで常に浮いて海の上を移動している。
……まずいな、あの速度。
二脚は海の上じゃ、飛び続けるのと変わらないから、機動力じゃああ言った脚のほうが上なんだよ。
空中戦で戦う方が無難さ。
上から撃ち続ける。逆にあのホバー移動と攻撃にエネルギーを使う相手は、もう空に上がるにも一苦労だ……それが一番今確実な方法だ」
「なるほどね。
でも……このエネルギーで?」
正直、回復が遅い。
悪いジェネレーターじゃないし良いブースターなんだけど、それでも浮き続けるのはキツい。
あれだけ戦ったからっていうのもあるけど……飛び続けるだけのパワーはいまアルゲンタヴィスにはないんだ。
<レッドセクション9>
『ここまできて……私はアイツの両親に頭を下げないといけないんだ!!』
<レッドセクション2>
『クソ……ここまできてまで嫌がらせのように強い!!』
インペリアルの人達も、アセン的になのかそれともジェネレーターやブースター的に空中戦は難しいのか水面で戦っている。
混ざっても良いけど、多分あれじゃ倒せない。
早すぎるんだよ、あの怪獣戦車みたいな自立兵器!!
海の上で戦ったら、攻撃する前に、2次ロックする前に近づかれるかあのカオカオうるさい口から吐くやつにやられる!
でも……空中戦はできない。
デカいコンドルの名前のくせに!
どうしよう……逃げるにもアイツ早い。
詰んだ……か?
<コトリ>
《…………方法がない訳じゃない》
「……なんだって?」
コトリちゃん、なんか良い方法でもあるの!?
<コトリ>
《正直君にコレを使わせるのは早いと思ってた。
修理費がヤバいし、何より今の機体じゃ時間制限が厳しい》
「随分とヤバいこと言うね。
もったいぶらないで教えて、何をするの?」
<コトリ>
《eX-Wのジェネレーターには、ちょっとだけヤバい裏機能がある。
ある一定の出力以上の物には、必ずその裏機能が付いてる。
昔はオプションパーツ扱いだったけど、今はクソジェネのバーンズ製以外には必ずある》
「なんの機能なのさ!?」
<コトリ>
《ジェネレーター出力、リミッター解除》
なんだって……!?
リミッター、解除!?ヤバそう!!
<コトリ>
《使うと一定時間、eX-Wのジェネレーターにある安全確保のための出力制限が解除されて、ジェネレーター自身が耐えられないような本来の出力を発揮する。
使用中コンデンサの中身はは減らないし、Eシールドも常に減衰しないまま戦える》
「なんでそんな便利な物を教えなかったの!?」
<コトリ>
《このジェネレーターじゃ、リミッター解除状態はせいぜいもって1分しか持たない。
1分後にジェネレーターは出力に耐えきれずに破損は確定。eX-Wは指先一つ動かなくなる》
「なんで教えなかったかすっごい理解できた……!」
ハイリスクハイリターン!!
てか、じゃあつまりそれ使って海の上で時間過ぎたら、私は水の中に沈むってこと!?
<コトリ>
《1分だ。
コレを使えば、1分間空中で飛び続けられる。
でも1分で決着がつかなかったら、アルゲンタヴィスは飛べない鳥になって海に沈む屑鉄だ。
……それでも、使う?》
…………っ!
「……ここで迷っても、意味ないよね!
使ってコトリちゃん!」
<コトリ>
《後悔しないでよ?
行くぞ!!》
コトリちゃんの言葉と共に、機体にやばいことが起こる。
コンデンサ要領を示すバーが減らなくなる。
画面に映る、ヤバい赤文字
<ジェネレーター出力上昇:危険域>
<システムエラー:ジェネレーター安全装置オフ>
<システムエラー:過剰エネルギー流入>
ヤバい力、土壇場まで隠していたのも頷けるやつ。
コトリちゃんの言う通りなら……修理費が相手持ちで良かった!!
《「リミッター解除だ!!」》
だけど今は、
コイツを倒すことだけ考える!!
***
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