初夏

第1話 雨

雑貨店のひさしの下。

雨宿りしている君を見つけた。

そっと近づき傘を差しかける。

「雨の音って落ち着くね」と君が言った。

「君の隣なら尚更」

その瞬間、君はバッグから傘を取り出し僕に微笑んだ。

「傘、持ってるの。じゃあね」


雨は止んだが、僕の心にまだ陽は差さない。


灼熱の季節はまだ遠い幻。

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140字の恋愛小説 神楽耶 夏輝 @mashironatsume

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