最終話 俺の名前は栗太


『俺には大事な友達が2人いる。1人はアイドルグループTOP LOTの街灯くん。彼は練習生時代の同期でカフェ巡りを一緒にしたりしている子でさ。もう1人はこの前亡くなった橋部よるくん、彼から受け取った手紙は今でも破り捨てず持ってる、彼にまた会いたいって思う。彼だけが僕を認めてくれた1人だった。こんな話、密着してくれなきゃ聞けない話だったかもよ』

栗太はにっこりした。

そして、家の電気を消して栗太は言った。

『じゃあ、おやすー』

栗太への密着は終わり、題名を何にするかと製作陣は悩んでいた。園部完介監督は『おい、栗太!』が1番しっくりくると言った。それを栗太に伝えると栗太はにっこり笑いながら顔を掻き言った。

『おじさんの考えた題名でいいっすよ。おじさんになら呼ばれてもいいかなって思うんで』

そして、完成したドキュメンタリー映画『おい、栗太!』は各映画館で上映された。

栗太には多くのオファーが手のひら返しに返ってきた。今まで細々でしか自分にオファーが来なかったのに、この映画を期に自分を知り、自分自身の価値が上がる、これが多分人気俳優への道なのだろうと思った栗太だった。

でも、俳優としての栗太ではなく歌手としての栗太として生きることにした。

橋部よるのためにも俺は歌手としてやっていく決意をした。

ほとんどのオファーを断り、歌手として歩んでいった栗太をどうぞよろしくお願いします。


俺は俺の道を行く、またね。

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役者には向いていなかったみたいだ ソノハナルーナ(お休み中) @eaglet

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