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総合先端未来創世高校 49-0 佳鳴学園高校
「まあ、いいかな」
試合が終わると、宝田は言った。
「目標は達成?」
「もう少し取りたかったけど」
森田は、宝田を横目に首をかしげていた。心の中では、こう思っていた。「もう少し? もっと、な気がする」
森田も元々、ラグビーをしていた。高校でも続けるか悩んだが、女子ラグビー部の有無で進学先を決めることはしなかった。それでも競技を続ける選択肢はあったが、そのためには遠くのクラブまで通う必要があった。
そこまでの情熱じゃないな、と思った。
それでもラグビーは好きだったので、マネージャーになった。これまで二年と少し、一番ベンチからチームを見てきたのは彼女である。
そんな彼女から見て、今日の試合は満足できるものではなかった。本来なら、もっと点差が開いていなければならない。
このままでは、今年も優勝は無理だ。
宝田だってきっとわかっている。いろいろと悪いことが重なって、去年よりもチーム力は落ちている。そんな中で戦っていくのに必要なのは……戦略だ。
やっぱりどうにかしないといけない。森田は、拳を握った。
カルアは、しばらくゴールポストを眺めていた。
3本のコンバージョンゴールを決めた。6点、自分の力で得たのだ。考えてみると中学時代はチームがトライをしたことがなかったので、初めての得点パターンでもあった。
接戦になれば、より重要になる。これまで外したことはないが、だからと言って楽勝とは思っていない。いつか、外すかもしれない。それで負けたら。それで、優勝できなかったら。
カルアの頭の中で、よくない予想がぐるぐると回り始めた。「負けて当たり前」が、どれだけ楽だったか。勝利は、重い。カルアはゴールポストの向こう側を見つめた。
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