【完結】女友達が彼女になったらすげーエロい

悠/陽波ゆうい

第1話 女友達が彼女

 学校では男同士で弛むことが多い。女子とも普通話す。けれど、普通に話す女子とは少し違う、特に仲がいい女子が1人いる。


 一緒にいて楽しくて、趣味が合って隣にいたら一番笑ってられる女友達。


 そんな女友達は今日——


「う、うん……付き合おっか!」

「本当か!?」


 恋人になった。

 女友達から恋人へ。お互い恥ずかしくて慣れなくて、それでいて甘い恋人生活が始まると……思っていた。





 中間テストが終わった放課後。時刻は1時過ぎ。早く終わったので何をしようかと考えながら校門を出ようとした時、誰かが俺の腕に絡んできた。


「もーう! 悠生ゆうせいくん!」


 肩のところできれいに切り揃えられたこげ茶色の髪を靡かせ、俺のところに来たのは、彼女の陽色天花ひいろてんか

 

 頬を膨らませている姿も可愛いー……ん? 何やら怒ってる様子。


「よぉ天花」

「よぉ、じゃない! 可愛い彼女を置いてきぼりにするなんて酷いよーっ!」

「あー悪い悪い。でも友達と話してただろ? だからてっきりそっちと帰ると思って」

「そんな訳ないよ! だって今日は悠生くんとたくさん過ごせる日。あたし、ずっとイチャイチャしたい気持ちを抑えて猛勉強したんだからっ」

 

 むにゅん


 柔らかな胸の感触がさらに伝わる。

 

 彼女と付き合い始め3日目。順調に仲は深まっている。友達以上という関係は味わっている。こういうスキンシップも彼氏特権……うむ、素晴らしい!!


「なーに? あたしのおっぱいが気になるのー?」


 ガン見していたことがバレていた。


「まあ健全な男の子だからな」

「健全な男の子、ねぇ……。相変わらず悠生くんはおっぱい好きなんだから~。うりうりー」


 上機嫌そうに肘でつつかれる。

 おっぱい好きだよ。男だったら誰でも好きだろ。


「ごほんっ。良くテスト勉強を頑張った。偉い。褒美に頭を撫でてやろう」

「えへへ〜。もぉ〜と褒めていいよ〜」


 そんなやり取りをしている俺たちに、2人の女子生徒が近づいてきた。

 先ほど天花と話していた子たちだ。

 天花はコミュ力が高いので他のクラスの生徒とも仲がいい。とか言う俺もそれなりにはコミュ力があると思う。


「2人とも! さっきは話の途中に抜け出してごめんね~」

「いいよいいよ。急に走り出して何事かと思ってたけど、有森くんの方に向かってて納得した」

「そーそ。学園屈指の美男美女カップルが仲睦まじくしてるのは癒しだし~。はぁ、羨ましい~」


 きゃっきゃっと盛り上がってらっしゃる。


「なぁ、天花。俺ってイケメンなの?」

「イケメンだよ。あと鈍感。……水面下ではバチバチだったんだから」


 天花の顔から疲れが見える。


 というか俺って……イケメンなのか……!! 今まで言われたことがないから嬉しい!!


「………。やっぱりイケメンじゃない」

「うぇ!? イケメンじゃないの!? だよな……俺告られたこととかないし……」

 

 イケメンってそもそもなんなの? 顔? 性格? 全部? 考えたらキリがないなぁ……。とりあえずイケメン滅べ! 天花に近づいたら殺す!!


「ふふ、天花ちゃんの独占欲すごーい」

「まぁ、こんなにいい彼氏ならねぇ」

「はいはい。あたしはどうせ独占欲の擬人化ですよーだっ。悠生くん、行くよ」

「お、とと! 急にどうした天花! いてて、引っ張るなよー!」


 微笑ましそうに見守る2人を後にして学校から出た。




「この後はどうする? どっかで昼飯でも食うか」

「それなら駅前のファミレスに行きたい! 今ならカップル限定でパフェが半額なんだって。テストが終わるまで我慢してたんだよ〜」


 よほど楽しみにしていたようでテンション高めに話す。


「じゃあファミレスでテストお疲れ様会でもするか」

「さんせーっ! 今日はとことん食い尽くす!」


 ファミレスかー、何食べよう。ドリア、ハンバーグ、唐揚げ……


 ポツッ


「ん?」


 肌に何か当たった。触ってみると水だ。徐々に水滴が落ちる速さが変わり、降り出してきた。


「わぁー! やばいやばい!」


 手で頭を防御する天花。だが、それだとほぼ意味がない。


 俺はプチプチっとシャツのボタンを外し、脱ぐ。


「ふぇ!? 悠生くんどうしてシャツを脱いで……」


 シャツの下は黒のTシャツなので脱いでも問題はない。


「おらよ」


 天花の頭にシャツを被せる。


「わぷっ! ちょ、これなにー?」

「傘代わり。ちょっと休憩できるところまで行くから走れるか?」

「あ、うん……。っ、休憩できる場所ってまさか………」

「?」


 やけに顔を赤らめてる天花の手を引き、目的の建物まで駆け足で移動した。

 

 


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