いま、君がいて俺がいる風景が思い出に変わっていく

奪われて、再構築して結ばれるタイプの話。
ハッピーエンドは実に良い。

描写が少なく、言葉をぽんぽんぽんとならべていくような軽さがある。
読みやすい。
そのせいもあってか、高校二年生の二人が小学生のように幼く感じる。
おそらく小学生の頃のまま、幼馴染としての関係性が続いてきたのだろう。
その姿が垣間見えるようだ。

「愛を受けること」
「『好き』って言われること」は現実的で、共感できるところだと思われる。
私たちは何かしらに片思いをし続けている。
誰かに「好き」や愛を伝えることはしても、返ってくることは少なく、受けることは稀なのだ。

短い話の中でドラマチックなことを描けていて、すごいと思える。