第5話 夜と星
「なにって」そう言いながら涙を拭う。
「もしかして泣いてたのか」私は、その言葉に間髪入れずに違うとNOを突き付ける。夏の夕日を見て感傷的になって泣いてるところなんて誰にも見られたくない。
「それより今日友達とあそんでるんじゃないの早く行きなよ」そう言って気丈に振る舞う。それが唯一のプライドなきがする。
「いやここで解散なんだ。で近くに幼馴染がいたから来たわけ」
「、、、そうじゃ来て」
「えっ」
「ついてきて」
そういって私は、立ち上がり後ろも振り返らず歩き始める。君は、何も聞かずについてきてくれる。私の覚悟は、決まった。
私は、最初に歩いた商店街を抜け昼ご飯を食べたカフェの目の前にある堤防を抜けて人気のない砂浜まで歩いた。目の前にはまだ夕日の沈んだ先が明るい海が波音を立てていた。また辺りは、月明かりと堤防の向こう側にある街灯でほのかにあかるくなっていた。息を吸うそして意を決して話始めた。
「三年前の私のおばあちゃんが亡くなって何にも考えられなかった時に私を家から出して海を見せてくれた時、実は興奮してたけどそれ以上に君のことが嫌いになりかけてたの。だってほっといてほしいのにこんなところまで連れてきて海を見せてお前の悩みなんて海に比べればちっぽけだと言われている気がしてけどね、家に帰った後に冷静に君側に経って考えてただ元気を出してほしかっただけでそれ以上に意図はなかったんじゃないのかなって思ったのそのあとそれをないがしろにしちゃいけないと思って頑張って学校に行った後からなぜかアンタのことを意識し始めたの。誰もほっとけないところとかそのくせそれを解決する能力がないから頑張って走り回って失敗してるところとか全部見てた。けど近くから見てる嫌なところも見えてきた。すぐにあきちゃうところとか、ぼーっとしてて話聞いていないところとか努力とかが嫌いなところとかあとちょっとHで水泳の時見ないようには、しているようだけど胸を見ているところとかけどそれを上回るほど私は、、、」
もう一度深呼吸をする。目の前にいる幼馴染に大好きな人に大切な人に言葉を贈る。
「私は、私、伊崎 茜は、南条 樹を愛してます。付き合ってください」
そう面と面を向かって言い切った。静寂が訪れる。
「ちょっと時間をください」
そういつもならへらへらしている樹がかしこまって顔を真っ赤にして目を回しながら言った。
「いいよいつまでも待ってあげるけど遅すぎると私泣いちゃうから」
そういって私は、彼に背を向けて堤防側に歩き出す。
「帰ろ」
そういったときにドーンっと爆発音がしてヒュルヒュルと火の玉が上がって弾けた。
「そういえばここの隣町今日花火大会って言ってたな」っと樹がつぶやいた。
「見てく?」私は、問いかけた。
「うん。見なかったら後悔しそうだから見てこう最悪ここから歩いて家まで帰ってもいいさ」
「ここから家まで遠いよ」
「けど後よりも結局今楽しむことが大切だよ」
花火が上がったそして弾けて光る。その光が私たちの行く末を照らしてるような気がした。
茜の空にに風が揺蕩う 八草秋水 @Rousyu1567
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