起承転結の.....結!!!!!

幸せという名の絆

最終話 アイドル辞めてもアイドル

アイドルになったのが俺の為だったという言葉を発してから。

3年が経過した。

俺は結婚した石橋花苗。

つまり妻と一緒に幸せに暮らしていた。

2人でお金を出して購入した中古マンションであるが.....そこに。


俺は俺達の間に出来た無邪気に遊んでいる子供。

七歩を見ながら.....そして花苗が遊んでいる姿を見ながら笑みを浮かべていた。

花苗はしっかりやってくれる奥さんだ。

良い加減に俺は成長しなきゃな、と思っている。

まだ精神面が幼いから、だ。


「達英さん」


「.....どうした?」


「その。例の件.....どうなりました?ノウハウで喫茶店を作るっていうの」


「ああ。例の件な。御免な。やっぱり俺な。作ろうと思うんだ喫茶店」


「.....そうなんですね。じゃあお金をまた出し合って一緒に作りましょう」


私、元アイドルとしてしっかりしますので、と言ってくる。

頼りになるもんだな、と思うが.....お金をもう既に妻は300万円ぐらい使っているのだが。


大丈夫なのか。

考えながら俺は顎に手を添える。

だが花苗は笑顔のままだった。


それから七歩が、アイ!、と言う。

まるで賛同するかの様に、だ。

すると悩んでいる俺に花苗が言ってくる。

此方に近付いて来ながら。


「それで達英さん。それは良いんですが.....これ.....その。ちょっとお願いがあるんですが」


「.....何だ?」


「私ね。.....その喫茶店で元アイドルとして歌を歌いたいです」


「.....そうか?.....それは良いけど.....良いのかそれって。一応だけど元有名なアイドルだろお前さん」


「.....はい。でももう達英さんの奥さんですから。あなた以外は考えられません」


「.....そ、そうか」


俺は真っ赤になりながらそのまま見つめていると。

花苗は笑顔を浮かべながら俺を柔和に見てきてそれから胸に手を添える。

そしてまた笑顔を浮かべた。

ね?、という感じで七歩の手を握って上げる。


「.....七歩も賛成だよね?」


「あう」


「.....そうだな。分かった。じゃあ.....一緒にやろう」


「ですよ。.....アハハ」


思いながら俺達は笑みを浮かべる。

それからそのままキスをした。

全く幸せなこったな、と思いつつ。

それから俺は動き始めた。

真面目に幸せだ。



「それは良い事だと思うね」


「.....そう思いますか。オーナー」


「だねぇ」


オーナーの育児間晴人さん(いくじまはると)さん。

年齢は59歳だ。

俺はその人のお世話に大変なった。

その姿に俺は笑みを浮かべながら見つめる。

すると晴人さんは、まあ君が良いならずっとこの店で働いてもらっても構わないだけどね。それから譲ってあげても良いんだけど、と言ってくる。


「流石にそこまでのお世話になるつもりはないです。晴人さんには沢山助けられましたので」


「そうか。僕はでも何もしてないさ。.....君があの事件もありながらも全部頑張ったんだ。.....だから今はこれだけさ。おめでとうってね」


「.....有難う御座います。オーナー」


そんな会話をしながら。

俺は笑みを零す。

それから俺は不動産屋とか向かってから喫茶店を建てる為に尽力する。

あっという間に幸せな時間は経過した。

10年ぐらいだ。



「社長」


「.....ん?何だい?飯島」


俺は建てた喫茶店を全国に展開する程になってしまった。

何というか花苗の力もあり。

所謂チェーン店の10店舗に仕上げたのだ。

今は東京にオフィスを構えている。

大きなビルに、だ。


だけどもう10店舗以上に店を増やすというか仕上げる気はない。

それは何故かといえば。

俺の役目は終わった、と感じている。

そもそもこの役目は花苗の為にやっていた事だ。

恩返しのつもりで、だ。


「速報観ました?七歩さんがアイドルの選手権を掴み取った様ですよ」


「.....そうか。14歳ながらもよくやるよなアイツ」


45歳の俺が言うのも何だが。

俺は言いながら目の前のパッドで観ている動画に笑みを浮かべる。

そこには成長した七歩がアイドルの卵になっている。

その姿に俺は懐かしさを感じた。

結局親の子はこうなるんだな、とも。


「そういや花苗専務は?」


「今は七歩さんの応援しに向かっております。しかし驚きですね。.....まさかアイドルの女性だったなんて。この前知りましたが」


「そうだろ。自慢の嫁だ!あっはっは!」


目の前の秘書がドン引きする。

俺は苦笑しながら、まあ、と切り返した。

全くアイツは、と思いながら。

それから、すまないが花苗専務に繋いでくれ、と言う。


この会社はチェーンで年商は20億になった。

だからもう十分に恩返しは出来ているつもりだが。

何だかその活気に押されたな。


もう少しだけ頑張ってみるか。

引退するのは先の事にしようかな。

そう思いながら俺は立ち上がる。

そして花苗に連絡する。


「花苗」


『はーい。何?あなた』


「戻って来たらあれと.....」


花苗に貰ったものを恩返ししているつもりだ。

だから俺はこれ以上は会社を成長させるつもりはない。

残りの人生を花苗と一緒に暮らす為の資金を得る為にしたらこうなったしな。

あと七歩を守る為に、だ。

アイドルとして存分に活躍出来る様に願いながら。



俺は時間が出来たので1号店にやって来た。

懐かしい昔の建てたばかりの喫茶店。

花、という名前だが。

そして見ていると、あなた、と声がした。

俺は振り返って見ると。


「花苗」


「パパ」


そんな声がする。

今の俺は本当に幸せだな、と思う。

本当に全てが苦痛の連続だったけど。

そういうのを思いながら。

1号店で手伝いを始めてから.....家族総出で客を迎えた。


今日のお客さんは俺の師匠。

つまりオーナーだ。

その為に俺は戻って来たのだった。

この先色々な事があると思うが。

それでも乗り越える助言を頂きに来た。


fin

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何というか教師を辞めさせられたのでアルバイトを始めたのですがそこに現れたのが.....。 アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou

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