第89話 平成之半妖物語を読んで、記憶の霧を晴らしちゃいました。

自分の書いた作品が終わってキャラ達が埋もれてしまうのは寂しい・・そんな想いからなんとかならないか考えて生まれました。


同時に他作品をしっかり読む事で、自己の今後の作品の向上にも繋がるとも思います。


それに埋もれている作品達に対してのPRにもなるのではないかと考えて、それぞれ目指す物があると思いますが、投稿している作者の方々に共感と敬意を表して・・・。


褒める作品、おこがましいですが改善点を指摘する作品あるとは思いますが、ただの馴れ合い読み合いレビューではなく、良い所も悪い所も含め素直な感想でお互いの向上になれたらいいなと思います。




よろしくお願いいたします。



●今回の読書作品


【作者】   アワイン 様

【作品名】  平成之半妖物語 (カクヨム・ノベルアップ・エブリスタ)

      


●今回の読書会参加者


加納友美:動物と話せる高校生。オールジャンルOK なりきりスキル発動によりどんな作品も対応可能。


モグラの■■■■:以前、奥さんが浮気して別れたとの事で、友美さんが引っ越しを手伝ってあげたモグラ。読書会参加は全キャラ中最下位の二回目。


カマキリのカマッチ:国語力のあるカマキリ。海を見た後安らかに息を引き取った。解説役。


マングースのイタッチ:ヘビとの戦いにトラウマを持つマングース。



「友美ちゃん。今回はいきなりですまないが、まずは極力ネタバレを控えた最低限の、この作品の簡単なあらすじを僕の方から紹介しよう」


「う、うん。わかった」


カマキリのカマッチはいつもの様に、テーブルの真ん中に陣取り、両手を上にあげてカマを全開に広げて威嚇のポーズで話始めました。


「この作品の主人公の女の子は、小学生四年の夏祭りの日に名前を奪われてしまったんだ。そこで作中では■■■■と描写されているんだ。そしてもう一人の主人公である奈央さんも登場して、彼女たちが経験する様々な怪異や事象から、半妖と呼ばれる登場人物が守っていく様子を描いた物語だ」


モグラの■■■■は、カマッチの解説を余所に夢中で作品を読みふけっています。


そしてカマッチは私の肩に乗って来て耳打ちをして来ました。


「友美ちゃん。君はこのモグラさんの事、名前、性別すら全く覚えていないだろう?」


「え?!そ、そんな事ないよ?!」


「じゃあ、このモグラさんの性別と名前を言ってみたまえ」


「えっと……多分…モグッチ……かな?性別は……ごめん。はっきりわからないや」


私は頭脳明晰スキル【友美が恋に落ちたので証明してみた】の発動むなしく、はっきりと記憶が浮かびませんでした。


「だと思ったよ。なんせ、このモグラさんは読書会参加も過去1回、本編の心療内科の友美さんでも、全く目立たない存在で、エピソード間の繋ぎの様なキャラ。もちろん挿絵どころか絵師さんにも存在を忘れられていたからな」


「………」

(かわいそ過ぎない?)


「そして今回、イタッチさんが参加しているのはモグラさんと見た目が似ている為だ」


「………イタッチ!久しぶりだね!と、とりあえず私が作った煮物の中の鶏肉だけ食べる?」

(イタッチ……ごめんね)


「あ、はい。一応頂きます。以前にも頂きましたが、味付けがダメなので一切れで構いません」


「………」


イタッチはモシャモシャとまずそうに鶏肉を食べています。


そして夢中で読んでいる■■■■にも、恐らくモグッチだろうと話しかけました。


「と、ところで、えっとモグッチ!だいぶ読んだでしょ?どうだった?」


「……え?あーすまんすまん。つい夢中になってしまって。弱視だから読むのに時間かかってしまって申し訳ない」


「大丈夫だよ!冷凍のミミズ解凍したから食べてね」

(男の子だったか……。名前はモグッチで大丈夫みたいだね……)


「と、まあ、ここまでのやりとりで、この作品の一章の描写の特徴を理解して頂けたと思う」


「あ、うん。そうだねカマッチ。とにかく不思議で斬新な設定だったよね!」


「その通りだ。この設定に関しては、あらすじと冒頭のキャラ紹介でサラッと説明していたから、最初僕もあまり理解出来なかった。ところが作中で様々なやりとりの中で、小出しに表現描写している。その手法が見事で知らず知らずの内にいつの間にか理解していたよ。とても素晴らしい文章力だ」


「そうだね!」


「私もいいでしょうか?」


「あ、うん!イタッチもいいよ!」


「この作品は第一章のインパクトが強かったのだけれども、その後も全く作品全体の質が落ちる事はなくとても面白かったです。途中恋愛やほのぼのエッセンスがあってとにかくバランスが取れている作品でした。ホラー一辺倒じゃない構成力も含めてレベルの高い作品だと思ったの」


「その通りだマングースのイタッチさん!」


イタッチの言葉にベットの上にいたモグッチは、前足を土を掘る様にガリガリする突然反応しました。


(あの……すいません。そんなにシーツの上でガリガリやったら破けちゃうと思うんだけど……)


「もちろん一章も良かったが二章の奈央さん、三章の澄さんメインもほんとうに面白く読ませてもらった!僕はモグラだからホラー苦手なんだが、それを感じさせない結末と、構成がほんとに素晴らしい!」


「………」

(え?モグラってホラー苦手なの?暗い土の中にいるのに?)


「それに全体的に良い意味で、特に二章以降は表現が淡々としている。それが余計不気味でもあり、ほのぼのしている感じがしたんだ。構成も素晴らしいがメリハリもあって読み易くもあるんだ!モグモグ!」


(モグッチ……あれ?あなたモグモグなんて口癖なかったよね?)


「僕も最後に言わせて欲しい」


「あ、ごめんねカマッチ!解説役だもんね。締めをお願いね」


「ホラー、あやかし物と言うのは沢山の作品があるが、執筆がとても難しいジャンルの一つだと個人的には思う。心情描写を多くする、情景描写でアピールする等いくつも手法はあり、その場の恐怖を表現するのか、後味の怖さを表現するのか、作品によって様々なんだと思う。この作品は万遍なく高いレベルで全てを網羅している気がする。それにほのぼのスパイスを加えながらだ。最初にも言及したが高い文書力に特化した作者様だ。友美ちゃんも見習うと良い」


「あ、うん!」


「私はマングースだけど、マングースの妖怪っていないのかしら?友美ちゃん?」

「あ!そうだな!僕はモグラだがモグラのあやかしはいないのか?友美ちゃん?」

「それを言うならカマキリのもののけはどうなんだい?友美ちゃん?」


「………」

(ごめん。多分いないと思う……特にマングースは皆無だよ……)


私は皆にせかされて朝までネットで、それぞれの怪異がいるのか調べさせられる事になってしまい、心の中で紫陽花の花を咲かせて、涙の雨に打たれていました……。



作者アワイン様

この度はありがとうございました。


今回の作品はこちらからどうぞ!


https://kakuyomu.jp/works/16816927863016384276 (カクヨム)


https://novelup.plus/story/116985045 (ノベルアップ)


https://estar.jp/novels/25857064 (エブリスタ)

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