2#33 犯人は
涼花の様子がおかしい。
涼花は俺の事を妹に欲情する変態お兄ちゃんだと信じて疑っていない。
なんでそんなわけのわからない思い込みをしているのか、どうしてこんなことになってしまったんだ、涼花……。
ハッ!?
そこで俺の灰色の脳細胞に電流が走ったが如く閃きが訪れた。
まさか、涼花は何者かに催眠を受けていて、それでそんな変な妄想を思い込まされているのではないだろうか……!?
ある。涼花はとてもいい子。出来た妹だ。そんな涼花が兄とくんずほぐれつのスケベな事をしようだなんて思うはずがない。
涼花は何者かに俺とスケベするように催眠を受けている。そう考えれば全ての行動に納得がいく。
しかし、何故そのような催眠を涼花に施したのだろうか?そして、涼花を催眠にかけた奴は一体誰だ……?
『私は皐月きゅんを中心としたハーレムを作る!その為に皆を皐月きゅん無しじゃ生きられないメス奴隷に堕とし、皐月きゅんに事後承諾してもらう!』
犯人は麻沙美かぁぁぁあああああッッッ!!?!
アイツ!俺の女性関係者に片っ端から催眠を施して、俺とスケベするように仕込みやがったな!?
クソッ!あの変態アバズレ糞ビッチが!あれだけやってまだ隠し事を残してやがったとはマジで辛抱ならん!タダじゃおかねぇからな覚悟しとけよ!
おかしいと思ってたんだよ!なんか最近みんなやたらと距離が近いし、終いにゃ催眠アプリを使って俺の事を好き勝手してたりと、明らかにおかしな行動ばかりだった。
納得が言った。犯人は麻沙美。奴には真の地獄を見せる。決定。
「さぁ兄さん!しましょう!」
犯人は分かったが状況は変わらず。涼花は息を荒らげて顔はトロンと完全なるメス顔で、もう辛抱たまりませんといった感じだ。
どうするこの状況?涼花の催眠を解除するにはどうしたらいい?
「ま、待って、涼花……!」
「ふふふっ、この後に及んでまだ抵抗するつもりですか兄さん?残念ながら抵抗は無駄ですよ。何せ私は兄さんの事を誰よりも理解している妹です。となれば兄さんの『弱点』も把握しているんです」
「俺の……弱点、だと?」
「そうです。兄さんの弱点です。兄さんの弱点はそう『妹ちゃん』です!」
「……は?」
「兄さん、私はね。兄さんの妹ちゃんを人質にとっているんですよッ!」
「なん、だと……?」
「いやはや、兄さん。そんなに私に抵抗していいんでしょうかね?こうして抵抗を続けると兄さんの大切な大切な妹ちゃんがどうなっても知りませんよ?」
「どういうことだ涼花!?俺の妹に何をするつもりだァーッ!?」
「まぁ、これは仮定の話ではあるんですけどね?もし兄さんが私の言うことを聞けないと言うならば仕方がありません。妹ちゃんには犠牲になってもらいましょうか。そうですね。妹ちゃんは中年ハゲデブキモオヤジにNTRされる……なんてどうでしょうかねぇ?」
「涼花、おまえ……なんて事を!俺の妹を人質にとるとは卑怯だぞ!」
「卑怯者?結構です。私は兄さんを堕とす為ならば手段は選びませんよ!それでどうなんですか!?兄さんの可愛く優しい大切な誰よりも愛してやまない妹ちゃんが!エロ漫画の竿役種付けおじさんにあんなことやこんなことをされていいんですか!?兄さんは将来を誓い合った妹婚約者のウェディングドレスNTRビデオレターを見て脳を破壊されたいんですか!?」
「そんなの……嫌に決まってるだろッ!ホントマジ無理ッ!考えるだけで吐き気が込み上げてくるんだけど!」
「だったら、どうすればいいか、わかりますよね?」
「ぐぬぬぬぬぬ……」
詰みだ。
妹を人質にとられたのなら俺に出来ることは無いに等しい。妹をそんなエロ漫画みたいな目に合わせる訳には行かない。
「……わかった……涼花の言う通りにする……」
「ふぅ、ようやっと観念しましたね、兄さん」
俺はもう涼花の言いなりになって妹とする他ないと言うのか?
「大丈夫ですよ兄さん。そんなに不安がる心配はありません。兄さんは、今、何者かによって催眠を掛けられているのです。今からその掛けられた催眠を解除するためにちょっと激しめにするだけなんですから!」
いやまだだ。まだ逆転の目は……ある!
(規制されたシーン)
俺は涼花の桃尻を……。
パシーンッッ!
「ひぅッ!?!!」
思いっきり引っぱたいた。
まぁ、アレだ。
催眠とかバグった頭とか。
叩けば治るだろ。多分。
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