2#28 なんで?


「兄さんはどんなえっちな誘惑をされても義妹に手を出したりなんかしないですよね?」



しないけど……?



つまりはアレか。俺はどんなに誘惑されたとしても兄として義妹に手を出すことが出来ない。しかしながら涼花みたいな美少女に誘惑されたなら一般的な男子高校生として悶々とした思いを抱えることになるのは必然。


手を出せないのに手を出したい状況になり俺はそれを我慢しなければならないわけだ。それはまるで目の前にニンジンをぶら下げられて永遠と走らされる馬が如く。


これでもって俺の罰とするわけだな。なるほど(?)


ならばその誘惑、耐えきってみせる!



「すぐ朝食の準備が出来ますので、もう少しだけ待っててくださいね兄さん。あっ、ちゃんと私の事を見てないとダメですよ」



言って涼花は朝食の準備に戻っていき、俺はその後ろ姿をボーと眺めていた。やはり後ろから見ると着用してるのエプロンのみで下着を着けてないせいか全裸に見える。肌色一色だ。


涼花が動く度にその愛らしい桃尻が揺れる。世の男共ならば思わずむしゃぶりつきたくなっていたことだろう。


だがしかし、何故か最近やたらと女子の裸体を見る機会が多くなっている俺氏。


慣れたという要素にさらに『義妹』という要素が加わり、思った以上に興奮はしないのであった。


むしろ、俺に対する制裁だとしてもこんな真似をする涼花に不安を覚える。いやだってこんなんただの痴女でしょ?全部余すところなく丸見えだよ?お兄ちゃんとして心配なんですが?


そんなことを思いつつも俺は涼花の後ろ姿から目を離さなかった。




◇◇◇



はぁ……はぁ……兄さんに見られてます……私の後ろ姿が兄さんに見られてます……。


ほら、兄さんがしゅきしゅきだいしゅきな涼花ちゃんの裸エプロンですよ。さっさと理性なんか捨てて襲いかかるんです。兄さんが普段からこっそり私に興奮してることなんて調べがついてるんですよ。


ああ見えて兄さんは一皮むけばケダモノそのモノ。ウチに潜んだ凶悪すぎる性欲が1度解き放たれたら、それはもうとてもしゅごい(語彙力)


思わず初体験の事を思い出してお腹に熱が溜まっていきます。


気がつけば兄さんと初体験を共にしてから1週間以上が経ちました。


あの日以来、あれやこれやと邪魔が入り込んで2度目は愚かキスすらしてません。おかしいです。こんなはずでは無かったんです。1度したらそこからはなし崩し的に連日連夜ところ構わず兄さんとイチャイチャ交り合う爛れた生活が始まると思っていたのに……。


こんなお預けってあんまりです。


ですが本日は取り決めによって誰の邪魔も入らない絶好の日和。


ああは言いましたがムッツリ淫獣である兄さんが私に手を出さないはずがありません。


そして1度手を出したらそれをネタに揺すり、あとは精魂枯葉てるまで絞り尽くすのみです。


さぁ、兄さん!私は準備が出来てますよ!いつでも襲いかかってきてください!



……。



…………。



……………………。



…………………………………………。



……………………………………………………………………あれ?



兄さーん?


愛しの涼花ちゃんの裸エプロンですよー?


裸エプロンの女の子が居たらヤル事なんて決まってますよね?


後ろからガバッ!と、からの「もう!まだ用意が!」「朝飯はお前だ」的な、ね?



……。



…………。



……………………朝食、出来てしまいました。



くっ……!兄さんってばもう……!こんなところで恥ずかしがって!わかりました!ええ!わかりましたよ!こうなったら徹底的に誘惑して兄さんの理性ぶっ壊してやりますよ!




◇◇◇




「はい、あーん♡‪」


「ぱくっもぐもぐっ美味しいよ」



兄さんの膝の上に横になってお姫様抱っこのような形で乗っています。カッコは今だに裸エプロンです。そして兄さんの両腕は私を支える為に塞がっているので必然的に私が兄さんに朝食を食べさせていました。


私が箸で差し出す朝食を兄さんは美味しそうにパクパク食べてくれます。そろそろ私のこともパクッと召し上がって欲しいです。


ぐりぐりとお尻を兄さんに押し付けます。


ふふふっ、こうすれば兄さんのお兄ちゃんが硬く、大きくなり、そして「兄さんのココ硬くなってますよ?まさか義妹で興奮しちゃったんですか?」の展開になるはず。



……ぐりぐり。


…………ぐりぐり。


……………………ぐりぐり。



まったく硬くなりませんね…………なんで?



「ご馳走様。美味しかったよ」



何事もなく朝食を食べ終わってしまいました。私は美味しくないです。




◇◇◇




「さて兄さん朝食も食べ終わりましたし、学校に行きましょう。ですがこのカッコでは学校に行けませんので兄さんには私の着替えを手伝ってもらいます」



はい、と兄さんに私の服を渡し、さぁどうぞと両手を広げます。


今の私はエプロン1枚のみの超軽装。下着はつけてません。


となればまずはそのエプロンを脱がして下着を履かせることから始まります。


ふふふ、さぁ、兄さん。私の裸体を前に己がウチに眠る性欲を抑え切ることが出来ますか?出来ませんよね?これはこれは服を着せてる途中でまた脱がす事になるかもしれませんねぇ?いいですよ!私はいつでもオッケーです!



「よし任せろ!」



しゅばばばば!



……何事も無く兄さんに服を着させてもらいました。


……なんで?



「それじゃ学校行くか!」









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