#3 出来た義妹と?
「兄さん、ちょっとコレ見て貰えます?」
訳あって一人暮らしをする高校2年の俺、久保皐月には義理の妹が居る。父親の再婚相手の連れ子で1つ年下。
一人暮らしの俺を心配して、よく家事をこなしに来てくれる出来た義妹である。出会った当初は多少ギクシャクした事もあったが今では兄妹仲は良好である。
そんな義妹が本日夕飯を作りに俺の部屋に来ていた。
2人で義妹が作ってくれた夕飯を食べている最中。ふと声を掛けられる。
「どうした?」
「とりあえずちょっとだけコレ見てください」
義妹は俺に自分のスマホの画面を向けてくる。なんだろうな、と思いつつも俺はそのスマホの画面を覗き込んだ――。
◇◇◇
「ま、まさか本当に効くなんて……」
私、久保涼花は瞳から光を失い心ここに在らずといった状況の義兄、久保皐月を見ながら呟いた。
『これは催眠アプリ。このアプリを起動して画面を見せれば、どんな相手も催眠にかけることが出来る代物さ。これで催眠をかけた相手を言葉のままに操ることが出来るよ』
思い出すのは胡散臭い"あの女"の言葉。
正直、半信半疑でありましたが、現にこうして効果を表している以上は本物だったということでしょうか。
「兄さん?にーさーん?」
「…………」
義兄の顔の前で手を振ってみても反応は無い。相変わらず虚ろな瞳でボケっとしている。演技をしている様子は見受けられない。
これは本当の本当に催眠にかかっていると思ってもよいのでしょうか。
私は試しに普段、義兄が絶対に答えないような質問をしてみた。
「兄さんは……そ、その……え、えっちな本は持っていますか?」
「はい」
「……!?そ、それって何処に隠してありますか?」
「ベットの下に涼花には秘密にしている床下収納があってその中に隠してます」
淡々と答える義兄、私はそれを聞くや否や、ダッと立ち上がりベットに向かいました。
ベットの下を覗き込むとそこにはプラスチックの衣装ケースが置いてあります。数日前に衣替えで冬物の服をしまって私自らが片付けた物でした。
それを引っ張り出してベット下の床を隈無く探してみると、ありました。奥の方の床が収納になっていました。
私が知らないこんな所に床下収納があったなんて……。
その床下収納を開くと中には数冊の薄い本が入っています。それを引っ張り出して内容を確認。
「こ、これは……!」
全部、義妹モノのいかがわしい書籍でした。
私はここで催眠アプリが本物であるということを確信しました。
兄さんがまさかこうも簡単に自分の秘密を話す筈もなく。また、その秘密は妹モノのいかがわしい書籍を隠し持ってるというもの。
これはつまり私の事をそういう目で見ている事に他ならない訳で、まさかそれを本人に直接言うわけがありません。
だとしたなら、義兄は催眠アプリの影響下にあって、私の言うことを何でも聞く状態にあるということ。
「す、凄い……」
思わず感嘆の息が漏れました。
これがあれば兄さんと……。
はやる気持ちを抑えて書籍を床下に戻し、動かした物を元あったように戻して、義兄の元に戻りました。
「兄さんに質問があります」
「はい」
義兄の元に戻った私は早速とばかりに、催眠状態にある義兄に質問を投げかけました。
「兄さんは私のことをどう思ってますか?」
「涼花は俺のかけがえの無い家族だ。いつも俺の面倒を見てくれて本当に感謝してる。家庭的で成績も優秀、そして俺が隣に並ぶのが恥ずかしくなるぐらいに可愛いいし、文句の付け所がまったくない最高の義妹だ」
「はぅ……!?も、もう兄さんたら……」
赤らむ頬に手を添えてイヤンイヤンと思わず身体をくねらせました。
「あと、最近では暑くなってきて露出の多い服を着てくることも多くなったのが、正直、目の毒だ。スカートから伸びる健康的な生太ももを見てると凄くムラムラしてきて思わず襲いたくなる」
「そ、そんな事を思ってたんですね……兄さん……えっちです……でも兄さんになら……」
「だが、俺と涼花は兄妹だ。性欲に負けて義妹に飛びかかる真似は絶対に出来ない。そんな事をして涼花に嫌われでもしたら俺は立ち直れない。だから涼花とはあくまで兄妹として接すると心に決めている」
「そ、そうですか……」
だから、義兄はあんな義妹モノのえっちな本を持っていたんですね。
本当は私に劣情を抱いてるにも関わらず、それを実行しない為にもああいった物で発散していたんですね。
ふふふ……でももうそんな我慢なんてしなくていいんですよ兄さん。
あんな本に頼らなくてもここに"現実の義妹"が居るんですから。
これはチャンスだ。兄さんはてっきり私のことを義妹としか見ておらず、女として見ていないと思っていました。
ですが、この催眠アプリの効果で兄さんの隠された想いを知ることが出来ました。
兄さんも本当は私のことを女として意識してて、それを我慢していたということを。
これなら私が我慢する必要なんてありませんよね?
そして私は催眠状態にある義兄に命令を下しました。
「兄さん、理性を捨てて、本能の赴くままに行動してください。兄さんの思うまま、望むままに、その欲望を私にぶつけてください」
「あっ……あっ……うがぁぁああ!」
「きゃっ!」
私は理性のタガが外れた兄さんに押し倒されました。
◇◇◇
行為が終わりビクリっビクリっと身体を震わせる、私。
兄さん……は、激しすぎです……。
初めてでしたが愛する兄さんに求められていると思うと気持ちの昂りを抑えられず、随分とはしたない真似を色々してしまったような気がします。
理性のタガが外れた兄さんはまさにケダモノでした。
今まで溜め込んだ欲望を解き放つように私の身体を貪った兄さんは満足したのか、今は私の隣で寝息をたてています。
ふふふ、遂にやりました!兄さんと肉体関係を持つことに成功しました!既成事実です!
行為中の様子もバッチリスマホで撮影し動画として残しました。これで言い逃れなんて出来ません。
もう兄さんは完全に私のモノですね!
これで兄さんの周りをウロチョロする女共を黙らせる事が出来ます。
兄さんは誰にも渡しません。こうして体と体で繋がりを持って、身も、そして心も、私だけの兄さんになったんですから。
それもこれも催眠アプリのおかげ。催眠アプリ最高です!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます