合計特殊出生率を上げる

 宮下宗一郎知事が選挙戦で公約した政策集には少子化対策が掲げられている。

「合計特殊出生率2以上」を目標に、新設される「青森こども未来県民会議」で、少子化の要因分析や政策効果を検証するそうだ。


 合計特殊出生率:1人の女性が一生の間に産むと想定される子どもの数。

 ある年齢の女性が1年間に産んだ子の数を分子に、その年齢の女性の人口を分母にして年齢別出生率を出し、15~49歳分を足し上げて算出する。

 人口推計や少子化対策で重視される指標で、国際比較にも使われる。


 厚生労働省の統計対象が「日本における日本人」であるため、その公表値が実態より過大であると問題視されている。

 両親のどちらかが日本人なら子は日本国籍を得るため、日本人の父と外国人の母の間に産まれた子は「日本における日本人」として分子に含まれる。

 一方、その母を含めた外国人女性は分母に入らない。


 極端な想定をしてみよう。

 1万人の女性が住む地域で1万人の子が生まれた場合は1と算定される。

 が、1万人の女性の半分が外国人だったと仮定すれば、計算上は2まで跳ねあがる。

 目先の数字にとらわれず、青森県民が安心して子育てができるよう、宮下宗一郎知事には堅実な政策を望みたい。

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