コラーゲンを飲めば…
「歌詠み吾、チラシの裏に縦書きす。良き歌どもを忘れざるうち」医師脳。
頭に浮かんだ短歌(の断片)を忘れぬうちにと、家中に新聞チラシとペンをセットで置いてある。
この歌詠みセットに手ごろなのが、パチンコ店の広告チラシだ。
ところが最近は両面印刷のものが多くて全く使い物にならぬ。
いかにも予算をかけたような厚手の良質紙で両面カラー印刷のチラシには、大概サプリメントの広告が載っている。
「愛飲者談」との断り書きで「あれほどの膝の痛みが消えて、今では手放せません」と、文字通り手放しの絶賛が載る。
コラーゲンはタンパク質である。
骨の主成分であるばかりでなく、皮膚の張りを支えてもいる。
だから「老化で減少したコラーゲンを補うために飲みましょう」と言うのがサプリメントの主張らしい。
だがしかし、飲んだサプリメントのコラーゲンが、痛い膝や張りのなくなった顔に望みどうり補充されるであろうか。
生物の授業で「タンパク質は消化されてアミノ酸やペプチドに分解される」と習ったはずだ。
サプリメントのコラーゲンとて同じ運命である。
もっとも「若返る」と信じて幸せを買ったとおっしゃるならば、敢えて異を唱えるものではない。
これを「プラセボ効果」と言う。
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