いつまで『新型』なのか
〈新型コロナウイルス〉の電子顕微鏡写真を見ると、周りに冠(コロナ)状のギザギザが付いた形をしている。
これを「ニコちゃんマークのようだ」と見たてるウイルス学者もいる。
じっと眺めていたら、ニコちゃんが笑顔で語り掛けてきた。
…と思った。
「こんにちは! SARS-CоV-2だヨ。日本なら〈新型コロナウイルス〉だから〈新コロ〉とでも呼んでくれヨ」。
妙になれなれしい奴だと思いながらも、笑顔につられて〈新型〉の由来を聞いた。
「元々は4種類だったコロナウイルスに、SARSコロナウイルス(2002年)とMERSコロナウイルス(2012年)が加わり6種類になったところへ、7番手で新たに現れたからだヨ」。
福岡伸一教授は語る。
「ウイルスが毒素を出したり害作用を仕掛けているのではなく、ウイルス感染という事態に免疫系が暴走(サイトカインストーム)した帰結である。インフルエンザと同様、重症化すればリスクはあるものの、大半のケースでは軽度の症状をもたらすだけの、ふつうの風邪ウイルスのひとつとして認識され、いずれヒト・ウイルスの共生関係が形成されていくだろう」と。
「新型コロナはや三年余なり顧みて『常在型』と呼ぶべくならむ」医師脳
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