依存症に気づこう

 5月なかばから金曜日だけ、弘前市の健生病院健診科で働き始めた。

「聴診器を老若男女にあつる日々、その心音にも個性がありて」医師脳。

 受診者には二つのグループがある。

 病気の「早期発見」を求め主体的に受診する〈人間ドック・がん検診〉と、労働安全衛生法に基づき「義務」として受ける〈職場健診〉だ。


 後者には「会社から受けろと言われたから来た」と本音を語る正直者も多い。

 そして「タバコも酒もやめる気はない」と続ける。

 聞かれもせぬのに強弁する姿を見て疑問がわく。

 なぜ自暴自棄になるのだろうか。


 依存症には、薬物・ギャンブル・タバコ・酒・過食など枚挙にいとまがない。

 皆「分かっちゃいるけど…」と言うが、「分かった」つもりでも自分の心と体の依存には気づいていない。

 それでいて他人には「どうしてカルト宗教などに騙されるんだろう」などと冷静だ。

 自分の依存症に気づきさえすれば、ストレス解消のためという誤った思い込みの喫煙・飲酒・過食もリセット可能である。


 馬でさへ、水辺に連れて行くことはできても水を飲ませることはできぬ。

 が人間様にはメタ認知(自己客観視)能力があるはず。

「健生とふ理念にどうじ津軽にて認知行動療法をせむ」医師脳。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る