認知行動療法のすゝめ
聴診器を老若男女にあつる日々、その心音にも個性がありて(医師脳)
わが健生病院でも、健診センター受診者は大きく二つのグループに分けられる。
病気の「早期発見」を求め主体的に受診する〈人間ドック・がん検診〉群と、労働安全衛生法に基づき「義務」として受ける〈職場健診〉群だ。
後者には「会社から受けろと言われたから来た」と本音を語る正直者もおられる。
脳卒中で片麻痺となった超肥満の方など、真正直に受診理由を述べた後で「タバコも酒もやめる気はない」と続けた。
聞かれもせぬのに強弁する姿を見て疑問がわく。
入院中から何度も「禁酒禁煙ダイエット」などと言われてきただろうに、なぜ自暴自棄になるのだろうか。
認知行動療法における「認知」とは「物事の受け止め方」の意である。
この認知に歪があれば、合理的な行動は望めず「分かっちゃいるけどやめられぬ」となるだろう。
一方、認知に歪がなくても「なぜか行動パターンを変えられない」という方がおられる。
「ストレス解消に」と飲みすぎ食べ過ぎを繰り返す例も、オペラント条件付けの考え方で説明がつく。
こういう方々へ対応する医者自身にとっても認知行動療法は有用だ。
「健生」とふ理念に同じ津軽にて認知行動療法をせむ(医師脳)
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