戦争を知らない老人たち

 自民党の麻生太郎副総裁は4月17日の講演で、北朝鮮の弾道ミサイル発射や台湾有事の可能性など日本を取り巻く安全保障環境の変化に触れ

「今までの状況と違う。戦える自衛隊に変えていかないと我々の存立が危なくなる」と述べた。


 これで思い出すのが、1929年(昭和4年)に長谷川如是閑はせがわにょぜかんの書いた『戦争撲滅受合法案』なる一文である。

 デンマークのフリッツ・ホルム陸軍大将が書いたものを紹介する形で発表したのだが、その趣旨は、

「戦争が始まったら10時間以内に、国家元首、大統領、国家元首の親族で16歳に達した男性、総理大臣・大臣・次官、戦争に反対しなかった国会議員、戦争に反対しなかった宗教家を最下級の兵卒として召集し、最前線で敵の砲火の下に実戦につくべき。有資格者の妻、娘、姉妹などは、戦争が続く間、看護婦又は使役婦として召集し、最も砲火に近い野戦病院に勤務させるべき」とある。

 この法案が世界中の国々で成立したら、誰も戦争を起こすまい。


 半世紀以上も前、ベトナム戦争の頃

「戦争を知らない子供たち」という歌が流行した。

 当時それを歌った我々団塊世代も既に「戦争を知らない老人たち」だ。

 反戦広告として懐かしいのが糸井重里氏のコピー。

『まず、総理から前線へ。』

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