第61話 秋雨に黄ばみしゴーヤーぱつくりと赤き種見す歯をむくやうに

「秋雨に黄ばみしゴーヤーぱつくりと赤き種見す歯をむくやうに」―。


 今シーズン最後の収穫を!

 と、雨の晴れ間を見てベランダへ出た。


 夏の日差しを和らげてくれたゴーヤーカーテンから、これまでに20本は食卓へ上ったはず。


 食べ頃の3本を取った後にビックリ!


     ◇


 葉の陰で黄ばんだゴーヤーがパックリ割れ、赤い種がのぞいている。

 なんともユーモラスな光景だ。


 スマホに保存し「天寿です」とハサミを入れた。


 かき揚げそばを昼食にと準備していた妻は、薄くコロモをつけ「ゴーヤーの姿揚げ!」とトッピングに追加。


 赤い種の周りは、ほんのり甘かった。


     ◇


「あなたの短歌には笑いがある」と言われた。


 川柳は、俳句と同じ五・七・五の十七音だが、穿ち(うがち)軽み(かろみ)笑いの三要素を重視する。


『排風柳多留』という秀句集の選者・柄井川柳(からいせんりゅう)にちなみ、川柳と名づけられたそうだ。


 …ならば我もと、取り合えず一句。


「天寿だと黄ばみしゴーヤー切り取られ」―。


     ◇


 2019年1月26日から詠み始めた短歌は今日(9月29日)で1343首。


 そして先週から川柳も始めたのだが、二足の草鞋を履き続けられるか。


「二兎追うものは一兎をも得ず」と聞くが…。


(20220929)

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