第60話 防衛費五年で四十兆円とふ見出しにうれふ『一触即発』

「防衛費五年で四十兆円とふ見出しにうれふ『一触即発』」―。


 半年余にもなるウクライナの戦況を引き合いに、政府自民党は軍拡へと舵を切る。


 実際に大戦が勃発したら何の役にも立たないだろう。

 それなのに、戦争を誘引するような軍拡を進めるとは実に浅はかな知恵だ。


 何故そんな簡単なことが判らないのだろうか。


 否、百も承知で「軍需産業は最も儲かるビジネスだから」と、人命軽視のソロバンをはじいての結果だとしたら…。


     ◇


 1977年の(ダッカ)日航機ハイジャック事件。


 当時の福田赳夫総理の「人の命は地球よりも重い」という言葉を思い出す。


 日本赤軍の5人の男らは、乗客・乗員151人の人質と引き換えに、獄中にいる過激派活動家9人の釈放と出国、そして身代金600万ドルを要求。

 これに政府は「超法規的措置」として、犯人の要求を飲む決断をした。


     ◇


 中露海軍が我が物顔の日本海。そこへ今度は、米国の海上要塞〈ミゲルキース〉が配備された。

 9万トンもの巨艦で、洋上のプラットホーム的な存在なのだという。


「軍艦の見本市なり日本海」―。


 各国の軍艦がにらみ合う日本海に、北の某国からはミサイルが打ち込まれてくる。


 偶発事故がきっかけで不測の事態とならなければいいのだが…。


(20220928)

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