第53話 このたびの東京五輪騒動に角川源義の無念や如何に
「このたびの東京五輪騒動に角川源義の無念や如何に」―。
角川書店の創業者である源義氏は、今回の息子の不祥事をどんな思いで見ているだろう。
◇
源義氏は、角川文庫発刊に際して、こう述べた。
「第二次世界大戦の敗北は、軍事力の敗北であった以上に、私たちの若い文化力の敗退であった。私たちの文化が戦争に対して如何に無力であり、単なるあだ花に過ぎなかったかを、私たちは身を以て体験し痛感した。(中略)角川書店は、このような祖国の文化的危機にあたり、微力をも顧みず再建の礎石たるべき抱負と決意とをもって出発したが、ここに創立以来の念願を果すべく角川文庫を発刊する」と。
◇
東京2020の延期が取りざたされた頃、クーベルタン男爵が夢枕に立った。
「COVID-19は人類共通の敵です。他者や他国を誹謗しあう時ではありません。地球人として立ち向かいましょう」と宣う。
今こそ、商業主義を本来のオリンピズムに戻す絶好のチャンスでもあろう。
◇
あれから二年余の今頃、なぜオリンピック関連の贈収賄が明るみに出てきたのだろう。
「天網恢恢疎にして漏らさず」とは聞くが、これまで臭いものに蓋をしてきた権力の重石が外れたのかも…。
この機会に膿を出し切るがよい。
(20220921)
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